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新訂版/少しのコツで不正・ミスを賢くチェック! 「おかしな数字」をパッと見抜く会計術

  • 公認会計士 山岡信一郎 著
発行
2016年05月02日
判型
A5判260頁
ISBN
978-4-433-66416-9
定価
2,200(本体:2,000円)

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概要

決算書や帳簿の数値に潜む不正・ミスを効率的に見抜くためのノウハウや、多くの企業の数字を見てきたプロが、実務ですぐに使える知識をわかりやすく解説。
「おかしな数字」を見抜くための基本姿勢から、勘定科目別の着眼点まで幅広く解説。

目次

第1章 「おかしな数字」に対する基本姿勢
 1 「おかしな数字」を見抜く―あなたは「おかしな数字」を意識しているか?
  1 「おかしな数字」には2種類ある
  2 「おかしな数字」を見抜くために必要なモノ

 2 漫然と数字を受けとめていないか?―まずは聞いてみよう
  1 質問の仕方で数字が正しいかわかる
  2 経理担当者に確認すべきこと

 3 「数字を読む」ことができるか?―数値比較をしてみよう
  1 会社外部から数字を読む
  2 会社内部から数字を読む

 4 簿記の考え方だけは知っておこう!―ツールとしての簿記
  1 複式簿記は優れた記録方法である
  2 勘定科目には2種類ある
  3 勘定科目と数字から「仕訳 → 取引」が頭に浮かぶか?

 5 数字は常に客観的であるわけではない―経営者の意図が数字に表れる!
  1 数字以外の要素で数字がかわる
  2 経営上の誤った意図が「おかしな数字」を生む
  3 「自分では判断しない」という経営者の意図

 6 量的境界線の設定の難しさを知ろう――「砂山のパラドックス」
  1 明確な基準がないことが妥当なこともある
  2 会計と砂山のパラドックス
  3 「何が合理的か」は経営者が決める

 7 数字を読む上でのちょっとしたテクニック―知っておくと必ず役立つ!
  1 「間違っていないかどうか」のチェック
  2 「おおむね合っているか」のチェック
  3 有価証券報告書等の合計が合っているかどうかのチェック
  4 入力間違いがないかどうかのチェック

第2章 勘定科目はこう見る!―勘定科目別・おかしな数字の見分け方
 1 勘定科目と「おかしな数字」―勘定科目の性質とその管理を知る
 2 経営および管理の基本―現金
  1 現金管理とは
  2 現金出納帳はこう見る

 3 銀行の残高証明書と一致していれば十分というわけではない―預金
  1 預金の管理
  2 預金残高が正しければそれでよいか

 4 いくらで評価すればよいのか―有価証券・投資有価証券
  1 時価のある有価証券
  2 時価のない有価証券

 5 どのようにして存在を確認するか―売掛金
  1 売掛金の管理
  2 売掛金台帳の見方
  3 俯瞰的に売掛金残高をとらえる
  4 売掛金の回収可能性を検討しているか

 6 これを見れば会社の管理レベルがわかる―棚卸資産
  1 棚卸資産の管理
  2 棚卸資産の継続記録の見方
  3 俯瞰的に棚卸資産残高をとらえる

 7 どのように費用化していくか―有形固定資産
  1 有形固定資産の管理
  2 減価償却費を決定する要素
  3 減価償却費から「おかしな数字」を見つける
  4 建設仮勘定には気を付けよう

 8 見えない資産をどうやって管理しているのか―無形固定資産
  1 無形固定資産の管理
  2 ソフトウェアの管理
  3 のれんの管理

 9 中身の見えない勘定に気を付ける―その他資産
  1 仮勘定の管理
  2 仮払金勘定の使われ方
  3 仮払金をチェックすることで「おかしな数字」を見つける

 10 漏れがないことをどのように確認するか―仕入債務
  1 仕入債務の管理
  2 仕入が計上されるタイミングとは
  3 検収作業の網羅性を確認する
  4 俯瞰的に仕入債務残高をとらえる

 11 計上根拠を理解しているか―その他負債
  1 その他負債の管理
  2 給与取引
  3 社会保険関係取引
  4 保険料率と納付期限がポイント
  5 税金関係取引

 12 誰がやっても同じ金額で計上されるか―引当金
  1 引当金の管理
  2 見積りについての社内基準を見る
  3 債権の年齢調べ表(Aging List)を見る

 13 やはり税務の知識が必要―税金関係
  1 押さえておくべき税金知識
  2 法人税とは
  3 住民税とは
  4 事業税とは
  5 消費税とは
  6 税効果会計
  7 税金費用に「おかしな数字」がないかどうかは税率差異分析でわかる

 14 貸借対照表に表れるか―偶発債務
  1 偶発債務とは何か
  2 偶発債務が引当金として計上されるとき

 15 対応関係が常に重要―売上高・売上原価
  1 売上の認識基準
  2 売上総利益率の比較
  3 売上認識に誤りはないか

 16 その経費は正しく表現されているか―販売費及び一般管理費
  1 販売費及び一般管理費の性質
  2 売上高の動きと合わせてみる
  3 販管費と製造原価の割合の推移に気を付ける
  4 正しい勘定名で経費が表現されているか

 17 「その他」に何が含まれるのか―営業外収益・費用
  1 「営業」と「営業外」
  2 営業外損益に含まれる「その他」に気を付ける

 18 何が特別なのか―特別利益・損失
  1 特別項目に含まれるもの
  2 特別項目に経常項目が含まれていないか

第3章 決算整理仕訳はこう見る!―決算整理仕訳に潜む「おかしな数字」
 1 決算整理仕訳に注目する必要がある理由―見積りや判断を伴う
 2 漏れなく計上されていることをどうやって確認するか―経過勘定
 3 会計監査で問題となることが多い―期末評価を要する勘定科目
  1 期末評価の対象となる勘定科目
  2 期末評価における注意点

 4 どこまで正確さが求められるか―見積りを伴う勘定科目
  1 見積りを伴う勘定科目とは何か
  2 経営者の意図がどこにあるか
  3 無理な見積りは必ず論理破綻する
  4 合理的な前提条件とは
  5 発生確率50%という考え方
  6 どこまで正確性が求められるのか

著者紹介

山岡信一郎(やまおか・しんいちろう)
公認会計士
1993年 慶應義塾大学経済学部卒業
1994年 監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入所
2007年 監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)退所後、株式会社ヴェリタス・アカウンティングを設立、代表取締役社長に就任。同年、弁護士である父と山岡法律会計事務所を開業、現在に至る。
 著書に『試験に出ない仕訳の本』(清文社)、『企業会計における時価決定の実務』(共著、清文社)があり、「旬刊経理情報」(中央経済社)ほかにおいても執筆実績がある。