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田中治 税法著作集 第5巻

田中治 税法著作集 第5巻 租税手続法の諸相と論点

  • 田中治 著
発行
2021年08月17日
判型
A5判784頁(上製・函入)
ISBN
978-4-433-41651-5
定価
9,350(本体:8,500円)

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概要

税法全般において幅広く研究を続けてきた著者の集大成として、40年の間に執筆してきた税法に関わる論文を中心に編纂し、5巻に整理まとめた著作集。

税法に関する基礎理論にはじまり、憲法の定める租税法律主義における税法の解釈・適用はどうあるべきかなどの根源的な問題への考証、所得税・法人税・相続税・消費税といった国税のほか、地方税(住民税・事業税・固定資産税・地方消費税など)についても言及し、税目ごとの論点の検討を収録。

また、租税手続法をめぐる問題点や紛争例にも触れ、申告納税制度とこれを基礎とした納税義務の確定手続、課税処分や租税争訟のあり方までを論じています。

 

【第1巻】租税の存在理由と租税法律主義の現代的意義

【第2巻】所得税をめぐる紛争の特質とその解釈論

【第3巻】租税実体法の諸相と論点ー所得課税

【第4巻】租税実体法の諸相と論点ー相続税、消費税、地方税

目次

Ⅰ 申告納税制度と租税行政手続

1  申告納税制度と租税行政手続

 

Ⅱ 申告納税制度と税理士制度

2  申告納税制度の意義と税理士の存在理由

3  今後の税制と税理士

4  税理士制度改革の基本的視点

5  税理士の業務における不完全履行の責任

6  税理士の専門家責任

7  税理士業務の明確化・徹底

8  司法制度改革と税理士制度

9  租税訴訟における税理士の役割と司法制度改革審議会の動向

10  具体化してきた出廷陳述権の付与と税理士に期待される役割

11 受験資格・試験科目の免除制度の改正と国税審議会の役割

12 会社法と税理士の社会的役割

 

Ⅲ 納税者番号制度と電子申告制度

13 納税者番号制度の導入ビジョンの検討とその課題

14 行政情報の開示に関する最近の動向と税務情報取扱い上の課題

15 具体化される電子申告制度の仕組みとその問題点

16 電子政府に向けての情報化の推進と税務行政

 

Ⅳ 更正の請求

17 過払金の返還による後発的違法とその是正方法

18 貸金業者の過払金返還債務と更正の請求の可否

19  破産会社の過払金返還債権の確定と所得の遡及的是正の可否

 

Ⅴ 行政手続と税務調査

20 改正される行政手続法と税務行政手続への影響

21 行政不服審査法改正の動向を踏まえた税務手続面の課題と期待

22 質問検査権の法的基礎

23 新税務調査手続の意義とその評価

24 諸外国の動向からみた納税者権利憲章創設の意義

 

Ⅵ 推計課税

25 推計課税の本質論と総額主義

26 推計課税の本質と推計方法の合理性の程度

 

Ⅶ 租税の納付

27 物納債務の履行・不履行

28 納税義務の履行による消滅

29 代金納付と権利移転

 

Ⅷ 源泉徴収

30 源泉徴収制度等の存在理由

31 地方税における課税自主権の確立と広域的税務行政

―その相互の関係と課題について

 

Ⅸ 課税処分と取消訴訟

32 税務行政訴訟における取消訴訟の判決

33 課税処分取消訴訟と過納金

34 司法制度改革と租税訴訟の今後

 

Ⅹ 税法解釈方法論

35 租税法における趣旨・目的解釈の意味と判例の状況

36 税法の解釈における規定の趣旨目的の意義

37 租税訴訟において法の趣旨目的を確定する意義と手法

38 税法の解釈方法と武富士判決の意義

39 所得税法における要件事実論

 

 

著者紹介

田中 治(たなか おさむ)

1952年3月 愛媛県に生まれる

1975年3月 京都大学法学部卒業

1977年3月 京都大学大学院法学研究科修士課程修了(法学修士)

1980年3月 京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学

1980年4月 京都大学助手

1981年4月 大阪府立大学経済学部専任講師

1985年10月 大阪府立大学経済学部助教授

1992年11月 大阪府立大学経済学部教授

1999年3月 京都大学より京都大学博士(法学)を取得

2005年4月 大阪府立大学経済学部長・経済学研究科長

2008年3月 同志社大学法学部教授(現在に至る)

 社会的な活動として,大阪府労働委員会公益委員(1996年から2004年まで)・同委員会会長(2000年から2004年まで),公認会計士試験委員(租税法)(2006年から2008年まで,2009年から2015年まで),日本学術会議連携会員(2006年より2015年まで)等を歴任。各種地方団体(大阪府,滋賀県,京都市,福岡市など)において,新税創設のための検討委員・委員長等を務める。

 学会活動として,日本税法学会理事長(2007年より2019年まで),租税法学会理事(1990年より現在まで),日本租税理論学会理事(1991年より現在まで),日本財政法学会理事(1992年より現在まで)を務める。

 ほかに,日本税理士会連合会外部理事,公益財団法人 日本税務研究センター理事・研究員などを歴任。