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河昌佑の弁護士道しるべ

事件受任時の利害衝突問題を中心とする 河昌佑の弁護士道しるべ

  • 弁護士 河昌佑 著
    弁護士 高村順久 訳
発行
2013年11月08日
判型
A5判276頁
ISBN
978-4-433-48773-7
定価
2,750(本体:2,500円)

在庫なし

概要

元ソウル地方弁護士会会長・河昌佑氏の手による著書を完全翻訳。

弁護士業務遂行の過程で突き当たる諸問題の解決策を、事例をもとに韓国の弁護士法及び判例等を掲げて解説。
事件受任の可否問題をはじめ、弁護士の事務所設置、業務広告、他業種との業務提携、事務職員に行わせる業務など多方面にわたる問題を取り上げ、日本の弁護士にも参考となる情報を凝縮した一冊。

目次

序文
1 法務法人の事件を審理した判事は、辞職後その法務法人の構成員になれるか
2 法務法人の従たる事務所(支所)の看板表示方法
3 大学教授の専門知識提供に対する弁護士の報酬支払い約束は適法か
4 法務法人の私書証書認証と受任制限問題
5 起訴前の和解と訴訟事件の受任制限
6 共同法律事務所の設置と看板表記問題
7 仮差押え決定後受任が制限される本案事件
8 法務法人が当事者となる事件の訴訟遂行方法
9 調停委員として取り扱った事件の受任制限
10 検事在職中に捜査した事件に関連する行政事件の受任の可否
11 国選弁護人取消後、利害相反する共同被告人の弁護人になれるか
12 私書証書に対する認証後、関連事件を受任できるか
13 民事事件の被害者側代理人が法務法人の構成員になった後、別の構成員が加害者の弁護人になることができるか
14 聴聞主宰者として取り扱った事件の受任制限
15 法律諮問を受けている会社の役員及び大株主の横領事件を受任できるか
16 併合事件において原告代理人は、被告が原告になった別の請求事件の訴訟代理人になれるか
17 弁護士は弁理士業務だけを行う別の事務所を置くことができるか
18 特許登録無効事件を検討した裁判研究官(大法院調査官)が弁護士開業後、特許侵害による損害賠償事件を受任することができるか
19 原告代理人が共同不法行為者中のある被告との強制調停が確定した後、同じ代理人が別の被告を相手にする求償金請求事件を受任することができるか
20 法務法人はインターネットサイトを開設して法律相談などを有料で行うことができるか
21 弁護士は法律事務所を特許法人の分(支)事務所を兼ねて開設することができるか
22 弁護士は損害査定人を外勤事務職員に雇用することができるか
23 会社に損害を与えた理事(取締役)から損害賠償事件を受任した後、その会社に投資した別の会社から理事を相手に法的責任を追及する事件を受任できるか
24 弁護士がショッピングモールを通して事件の紹介を受ける行為は適法か
25 弁護士は事務職員に登録された行政士(行政書士)に別の行政士事務所で個人再生業務を処理させることができるか
26 法務法人はその法人が公証した約束手形上の債権を被保全債権とする詐害行為取消事件を受任できるか
27 弁護士は国会議員補佐官を兼職することができるか
28 法務法人の業務担当弁護士は、被害者の訴訟代理人として業務を行った後、加害者の国選弁護人になることができるか
29 過去に受任した刑事事件の受任料に関連する詐欺事件を受任できるか
30 転付命令の執行権原たる約束手形公正証書を作成した法務法人は転付金請求事件を受任できるか
31 非法人共同事務所の構成員間の受任制限
32 共同被告の一人から所有権移転登記事件を受任した後、別の被告がその被告を相手にする共有物分割事件を受任できるか
33 損害賠償事件の被告代理人はその被告を相手にする貸金請求事件を受任できるか
34 弁護士は不動産仲介法人と共同で競売広告をすることができるか
35 共同インターネットサイトを通じて共同で有料法律相談をしたり、不特定多数の人に電話をかけて業務広告をすることは許されるか
36 検事在職中に捜査した事件と関連する民事事件の受任の可否
37 地方自治体が告発した刑事事件の被告人の弁護人であった弁護士は、その被告人が自治体を相手に提起した行政事件で自治体の代理人になれるか
38 法務法人の構成員である弁護士が請負人を代理していたところ、別の法務法人の構成員になった場合、(移籍後)の法務法人は注文者の代理人になることができるか
39 求償金請求事件の債権者代理人であった弁護士は、その債務名義を争う債務者から請求異議事件を受任できるか
40 判事在職中に判決した土地境界事件と関連する不当利得金返還請求事件受任の可否
41 弁護士は監査役や社外取締役に在職中の会社の訴訟代理人を受任できるか
42 刑事事件を審理した判事が法務法人の構成員になった場合、法務法人は告訴人の代理人になれるか
43 判事在職時に取り扱った事件のうち受任が制限される事件
44 法務法人の代表弁護士は辞任書を伝達した後で辞任意思を撤回できるか
45 法務法人が被告から受任した事件を法人解散後別の構成員であった弁護士が原告から受任できるか
46 過去に受任した刑事事件の被疑者を相手にした告訴事件と民事事件を受任できるか
47 連合住宅組合土地訴訟の代理人は、敗訴後その土地買収上の過失を理由に提起された損害賠償訴訟で組合長らを代理することができるか
48 信用評価会社との業務提携は弁護士法違反か
49 法人資金横領事件を受任した弁護士が成功報酬として依頼者である株主から株式を譲り受けることは係争物譲り受け禁止規定に違反するか
50 夫が妻と相姦男(不貞行為の相手の男)を相手に提起した離婚及び損害賠償事件の係属中、相姦男の代理人は、相姦男の妻から姦通告訴と離婚事件を受任できるか
51 弁護士は金品を受け取ることなく不動産仲介法人と業務提携をすることができるか。その法人事務室に顧問弁護士の標識板を設置できるか
52 法務法人の所属弁護士は係属中の事件の相手方の顧問弁護士になれるか
53 経営権防御事件を受任した法務法人は、経営権を掌握した新しい会社が提起した従前会社労働組合委員長の不当解雇事件を代理することができるか
54 破産決定に対する抗告事件受任終結後、破産管財人を相手に行った建築主名義変更手続事件を受任できるか
55 法律諮問を行う(対象である)非法人社団の役員の職務執行停止事件を受任できるか
56 貸金請求事件の受任終結後、前の依頼者を相手に仮処分異議事件を受任できるか
57 被告らから工事代金請求事件を受任した代理人は、一人の被告が別の被告を相手に提起する所有権事件を受任できるか
58 臨時株主総会招集許可申請事件の被申請人代理人は、申請人を相手にする株主権行使禁止仮処分申請事件を受任できるか
59 弁理士は著作権に関する刑事告訴事件で告訴状を代理提出したり補充陳述をすることができるか
60 業務上横領被疑事件の弁護人は、辞任後その被疑者に対する恐喝事件を受任できるか
61 法務法人はインターネットショッピングモールの会員に加入し、有料法律相談を行って受け取る手数料のうち一定額をショッピングモール業者に支払うことができるか
62 訴え取り下げで終了した従前離婚事件の相手方から新たな離婚事件を受任できるか
63 売渡人の代理人が、第一買受人との契約金返還訴訟が終結した後に、第二買受人を相手に詐害行為取消訴訟を提起した売渡人の債権者の代理人になれるか
64 不動産仮差押え認容決定を受けた債権者代理人は、債権者が債務者を相手に提起した別個の本案事件で債務者を代理することができるか
65 収賄被告人と贈賄被告人を同時に弁論することができるか
66 弁護士試験合格後研修中の弁護士は、複代理形式で弁論に参加することができるか
67 明け渡し訴訟の原告代理人は、被告の中の一人が他の被告を相手にする共同経営者関係不存在確認事件を受任できるか
68 日常家事代理行為が破綻原因となった離婚及び財産分割訴訟の被告代理人は、原告と被告を相手にして日常家事代理を原因とする貸金事件を受任できるか
69 妻が夫の印鑑証明書を無断使用して夫名義の不動産に根抵当権を設定したため、夫がその根抵当権の抹消請求訴訟を起こし、これを受任した弁護士は、事件終結後、妻が詐欺で告訴された事件で妻の弁護士を受任できるか
70 法務法人は銀行から紹介を受けた顧客に受任料(弁護士費用)の一定比率に当たる金額を減額することを銀行と業務協定することができるか

付録 事件受任時の利害衝突問題

著者紹介

河昌佑(ハ・チャンウ)
弁護士
1954年2月生まれ
1978年ソウル大学法学部卒業
1983年第25回司法試験合格
1985年12月司法研修院修了(第15期)
1986年~現在弁護士開業(ソウル)
1997年1月~1999年1月ソウル地方弁護士会総務理事
1999年1月~2001年1月ソウル地方弁護士会総務理事
2001年1月~2003年2月大韓弁護士協会広報理事
2003年12月~2005年12月大法院法官(裁判官)任用審査委員会委員
2005年1月~現在KBS客員解説委員
2005年2月~2006年12月大韓弁護士協会広報理事
2006年10月~2007年9月法務部(法務省)政策委員会委員
2007年1月~2009年1月ソウル地方弁護士会会長
2007年5月~現在法務部検事懲戒委員会委員


高村順久(たかむら・としひさ)
弁護士
1944年9月生まれ
1969年岡山大学卒業
1968年司法試験合格
1971年司法修習終了(第23期)
1971年~現在弁護士(大阪弁護士会)
1998年4月~1999年3月大阪弁護士会副会長
2007年8月~2011年7月大阪地方裁判所委員会委員
2009年11月~現在大阪府入札監視等委員会委員