概要
税法ごとの時価評価の考え方や財産評価基本通達と鑑定評価基準との根本的な相違点を整理し、同族間取引における不動産の合理的な評価方法等について、Q&A形式で解説。
目次
序 章 本書で扱う同族間取引の定義
第1章 同族間取引に係る課税関係
1 個人対個人の同族間取引
2 取引当事者のいずれか一方が法人の場合の取引
3 法人対法人の取引
4 消費税法上の譲渡対価と時価との関係
第2章 税務における不動産の時価評価の考え方
1 相続税法
2 所得税法
3 法人税法
4 消費税法
第3章 非上場株式評価における不動産の評価
1 財基通による非上場株式の評価方式
2 財基通による非上場株式評価における不動産の評価
3 所基通による非上場株式評価における不動産の評価
4 法基通による非上場株式評価における不動産の評価
第4章 財産評価基本通達と鑑定評価基準の考え方の違い
1 財産評価基本通達の不動産評価の考え方
2 鑑定評価基準の考え方
3 両者の相違点
第5章 同族間取引の時価についての合理的な評価方法と留意点(Q&A)
Q1 財基通による評価と不動産鑑定による評価とが大きく相違する
不動産の種類にはどのようなものがありますか。
〉〉土地・建物を一体的に評価しないと取引の実態を取引価格に反映できない不動産
Q2 貸家(貸ビルや貸アパートなど)の稼働率が低い場合の評価について教えてください。
Q3 法定耐用年数を経過した建物が存する宅地の評価について教えてください。
また、当該建物が存する場合の譲渡契約について、留意すべき事項があれば教えてください。
Q4 使用禁止のアスベスト(石綿)が使用されているおそれのある建物を含む
複合不動産の評価について教えてください。
Q5 建築基準法の旧耐震基準の建物のうち耐震工事未了のものを含む
不動産の評価について教えてください。
Q6 空家等対策の推進に関する特別措置法2条の空き家に該当する建物が存する
宅地の評価について教えてください。
〉〉開発・建築規制の厳しい地域地区にある不動産
Q7 市街化調整区域内の土地の評価について教えてください。
Q8 市街化区域内の生産緑地の評価について教えてください。
Q9 市街化区域内の山林(林地)の評価をするに当たって、開発行為の許可を
受けるまでに要する期間及び伐採・伐根、整地、造成工事に要する期間は
どのように考慮されるのですか。
Q10 東京23区内の住宅地域内にある地積規模の大きな宅地の評価について、
財基通による評価と不動産鑑定による評価の相違点を教えてください。
〉〉共有など権利関係の態様が取引価格に影響する不動産
Q11 敷地権登記のない区分所有建物(敷地利用権を含む)
の評価方法について教えてください。
Q12 建替え時期を迎えた(建替えの必要性が高まっている)
老朽化マンションの評価について教えてください。
Q13 共有者が3名以上いる不動産の評価について教えてください。
〉〉取引価格を減価させる環境要因や事情等が存する不動産
Q14 高速道路又は鉄道軌道の高架線に面する居住用マンションで、
かつ、高架線の高さより低層に存するものの評価について教えてください。
〉〉借地権など土地貸借関係
Q15 居住用建物の所有を目的とする旧法の借地権で、かつ、年額地代の金額が
公租公課の5倍を超える場合の借地権評価について教えてください。
Q16 旧法の借地契約に係る年額地代の金額が固定資産税の2倍未満である場合の
貸宅地(底地)の評価について教えてください。
Q17 防火地域、かつ、指定容積率が300%以上の地域に存する非堅固建物所有を
目的とする旧法の借地権付建物の評価について教えてください。
Q18 更新料支払特約があり、かつ、更新時期がおおむね1年以内に到来する
旧法の借地権についての評価について教えてください。
Q19 建物所有を目的とした土地使用貸借契約の目的とされる宅地の
評価について教えてください。
Q20 同族間で権利金を支払わない形で土地賃貸借契約を締結する場合、
地代の金額をどのように算定すればよいでしょうか。
当該地は借地権の設定に際しその設定の対価として権利金を支払う
取引上の慣行のある地域に存します。
〉〉多額の造成、撤去または改良工事費用等を要する土地
Q21 過去に宅地造成工事(切土・盛土)により築造された擁壁を含む
宅地の評価について教えてください。
Q22 前面道路との間に存する「高さ2mを超える擁壁」の安全性に
問題があると認められる場合における宅地の評価について教えてください。
Q23 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)内にある宅地の評価について教えてください。
Q24 土壌汚染地の評価について教えてください。
Q25 ファミレスなどが集積する郊外型の路線商業地域に存する
ガソリンスタンド跡地(地下埋設物が存し、土壌汚染のおそれのある宅地)
の評価について教えてください。
Q26 埋蔵文化財包蔵地の評価について教えてください。
〉〉事業等の成否が不確実であり、それが取引価格に影響する不動産
Q27 無道路地(再建築不可の土地)の評価について教えてください。
Q28 敷地の6割以上の部分が都市計画道路予定地である場合の宅地の評価について
教えてください。なお、都市計画決定は告示されていますが、
未だ事業認可等は受けていません。
〉〉取引の実態において収益価格が重視される不動産
Q29 工業団地内の土地で、産業用(10 kWh以上)の太陽光発電施設の用地に
転用された土地の評価について教えてください。
Q30 市街化区域及びそれに近接する地域以外に存するゴルフ場の用に
供されている不動産(クラブハウスなどの建物を含む)の評価
について教えてください。
Q31 地方都市に存する30年以上運営されているビジネスホテル(※)
の評価について教えてください。
(※)本問では全国展開されているビジネスホテルや外資系ホテルを除きます。
〉〉実需のない不動産、または担保価値が極めて低い不動産
Q32 建築基準法上の道路に認定されている私道の評価について教えてください。
Q33 私道にのみ面する宅地の所有者が当該私道の権利を有しない場合に
おける当該宅地の評価について教えてください。
Q34 顧問先がリゾート地に存する不動産(別荘素地、温泉付マンションなど)
を所有していますが、その評価はどのように考えたらよいでしょうか。
〉〉課税庁と議論するために税理士が理解すべき評価方法の知識について
Q35 財基通による評価額を0.8で割ったものを時価とすることはできますか。
Q36 不動産鑑定士の鑑定評価書の適正性や合理性のチェックの方法
について教えてください。
Q37 審判所の先例裁決等を見ると、税務上の時価が争点となっている事案に
係る鑑定評価書の合理性のチェックに「土地価格比準表」を用いている
ケースがありますが、土地価格比準表とはどのような意義を有するものなのか
教えてください。
Q38 オーナー個人が所有する建物のみを同族会社に譲渡する場合の当該建物の
評価方法及び留意点について教えてください。
〉〉非上場株式の評価における不動産の評価について
Q39 非上場株式を純資産価額方式により評価する場合における不動産の
評価方法について税目別に教えてください。
Q40 非上場株式の発行会社が次の類型の複合不動産を所有している場合、
所基通59-6の「土地の当該譲渡又は贈与の時における価額」、または、
法基通9-1-14の「土地の当該事業年度終了の時における価額」を
求める場合の留意点について教えてください。
1.区分所有建物及びその敷地
2.貸家及びその敷地
3.借地権付建物
Q41 非上場株式の売買を検討していますが、当該株式を純資産価額方式により
評価する場合において、土地の無償返還に関する届出書が提出されている
普通借地権(ただし、地主が個人、借地権者が法人の場合)の
評価方法について教えてください。
著者紹介
不動産鑑定士・税理士・公認会計士
立花 俊輔(たちばな しゅんすけ)
大分県別府市出身(1971年12月生まれ)
1994年 慶應義塾大学商学部卒
1998年 不動産鑑定士として独立開業。不良債権処理の鑑定評価、
金融機関の担保評価、差押不動産の公売手続きに係る鑑定評価(東京国税局)、
公共用地取得のための鑑定評価(国・道路公団・地方公共団体)、
地価公示評価員・相続税路線価評価員・固定資産税鑑定評価員に従事
2001年 早稲田大学大学院社会科学研究科修了
2002年 立花不動産鑑定株式会社を設立
2007年 税理士登録
2011年 公認会計士登録
2014年 税理士法人 TRIALを設立
2021年 特定任期付国税審判官として東京国税不服審判所に採用され、
資産評価担当として、相続税・贈与税の審査請求事件を主に担当
現在 立花不動産鑑定株式会社及び税理士法人TRIALの代表者として執務に当たる



