概要
取適法(下請法)のみならず各法令等における下請保護の規制内容について、単なる規制内容の解説にとどまることなく実例を含む数多くの事例を紹介しながら、ケーススタディとして具体的に解説。
目次
第1部 取適法のポイント
第1章 取適法の適用対象
第1節 取適法の対象取引
1 「業として」なされる取引
2 業務の「委託」
3 製造委託
4 修理委託
5 情報成果物作成委託
6 役務提供委託
7 特定運送委託
第2節 取適法規制の対象規模
1 概要
2 資本金基準
3 従業員基準
4 混合的業務の委託
5 トンネル会社規制
第3節 取適法の適用範囲に関するその他の論点
1 親子会社間等の取引
2 商社等の中間業者が関与する取引
第2章 委託事業者の義務
第1節 発注内容等の明示義務
1 趣旨
2 明示事項の概要
3 明示事項の記載方法
4 未定事項がある場合の明示方法
5 4条明示の方法
6 ジャスト・イン・タイム生産方式
7 電磁的方法による明示
8 発注内容等の明示に関する違反例
第2節 書類等の作成・保存義務
1 趣旨
2 7条記録に記録すべき事項の概要
3 7条記録の保管
第3節 支払期日を設定する義務
1 趣旨
2 支払期日を設定する義務の概要
3 取適法上の支払期日となる日
第4節 遅延利息の支払義務
1 趣旨
2 遅延利息の支払義務の概要
第3章 委託事業者の禁止事項(契約締結段階)
第1節 買いたたきの禁止
1 趣旨
2 「買いたたき」に該当する場合
3 買いたたきの具体例
4 買いたたきに関する近時の勧告例
5 価格交渉における留意点に関するケーススタディ
第2節 協議に応じない一方的な代金決定の禁止
1 協議に応じない一方的な代金決定の禁止
2 想定される違反行為事例
第4章 委託事業者の禁止事項(業務の履行段階)
第1節 受領拒否の禁止
1 趣旨
2 「給付の受領を拒む」の意義
3 納期の遅延
4 内示と発注
5 ジャスト・イン・タイム生産方式の場合
6 中小受託事業者の責めに帰すべき理由
7 受領拒否に関する近時の勧告例等
第2節 返品の禁止
1 趣旨
2 返品
3 中小受託事業者の責めに帰すべき理由
4 検査の方法及び返品が認められる期間
5 「通常の検査」の内容
6 返品に関する近時の勧告例
第3節 不当な給付内容の変更、不当なやり直しの禁止
1 趣旨
2 給付内容の変更・やり直し
3 中小受託事業者の責めに帰すべき理由
4 中小受託事業者の利益を不当に害すること
5 委託内容の変更又は明確化の際の書面の交付
6 特定運送委託における不当な給付内容の変更などの禁止
7 不当な給付内容の変更・やり直しに関する近時の勧告例
第5章 委託事業者の禁止事項(対価の支払段階)
第1節 支払遅延の禁止
1 趣旨
2 支払遅延
3 手形交付の支払手段の禁止等
第2節 不当減額の禁止
1 趣旨
2 不当減額に該当する場合
3 不当減額に関する近時の勧告・指導
4 ケーススタディ
第3節 有償支給原材料等の早期決済の禁止
1 趣旨
2 有償支給原材料等の早期決済に該当する場合
3 有償支給材の早期決済に関する近時の勧告・指導
4 ケーススタディ
第6章 委託事業者の禁止事項(その他)
第1節 購入・利用強制の禁止
1 趣旨
2 購入・利用強制に該当する場合
3 購入・利用強制に関する近時の勧告・指導
4 ケーススタディ
第2節 不当な経済上の利益の提供要請の禁止
1 趣旨
2 不当な経済上の利益提供の要請に該当する場合
3 不当な経済上の利益提供の要請に関する近時の勧告・指導
4 ケーススタディ
第3節 報復措置の禁止
1 趣旨
2 報復措置の禁止に該当する場合
3 報復措置に関する近時の指導
第7章 取適法違反への措置
第1節 管轄機関
第2節 取適法に関する調査
1 概要
2 書面審査(定期調査)
3 その他の調査
第3節 行政指導・行政処分
1 概要
2 勧告
3 指導
4 罰則
第4節 リニエンシー
1 要件
2 効果
第5節 取適法違反の申告
1 公正取引委員会・中小企業庁への申立て
2 取引かけこみ寺への相談
3 中小企業庁長官からの措置要求
4 他の官庁等からの通知
第2部 法改正のポイントと周辺規制
第1章 2026年下請法改正のポイント
第1節 取適法の適用基準の追加
1 概要
2 改正の背景
3 実務上の留意点
第2節 物流分野における取適法の適用対象取引の拡大
第3節 協議に応じない一方的な代金決定の禁止
1 概要
2 改正理由
3 改正内容
第4節 下請代金等の支払条件に関する見直し
1 手形交付の禁止規定の新設
2 期日内引換え困難な代替的支払手段の禁止
第5節 取適法の執行に係る省庁間の連携の拡大
1 取適法の執行に係る省庁間の連携の拡大
2 その他の公正取引委員会の取組み
第2章 他の規制との関係
第1節 取適法と他の法令の適用関係の概要
1 取適法と関連する法規制
2 取適法違反の私法上の効力
第2節 独占禁止法(優越的地位の濫用規制)
1 優越的地位の濫用規制の趣旨
2 優越的地位の濫用規制の概要
3 優越的地位の濫用規制と取適法との適用関係
第3節 フリーランス保護法
1 フリーランス保護法の成立
2 フリーランス保護法の適用範囲
3 フリーランス保護法の規制の内容
4 すべての業務委託事業者に対する規制
5 特定業務委託事業者に対する規制
6 就業環境の整備に関する規制
7 各義務に違反した場合の対応
第4節 受託中小企業振興法(振興基準)・パートナーシップ宣言
1 適用対象となるケース
2 振興基準の概要・ポイント
3 取適法その他の法律との適用関係
4 2026年振興法等改正の概要
第5節 建設業法
1 建設業に係る請負取引(下請負)の適性を図るための規制
2 取適法と建設業法の規制内容(概要)
3 取適法と建設業法の規制内容(相違点)
4 その他の建設業法の規制
5 行政処分その他
第6節 政府契約の支払遅延防止等に関する法律
第7節 取引先カスハラ(BtoBカスハラ)
1 取引先からのカスハラ(BtoBカスハラ)の増加
2 企業に求められるBtoBカスハラ防止の取組み
3 BtoBカスハラが生じた場合に企業が負う責任とリスク
4 東京都カスタマー・ハラスメント防止条例の概要
5 労働施策総合推進法の改正
第8節 グリーンガイドライン(2024年改訂)
1 グリーンガイドラインの概要
2 優越的地位の濫用行為が問題となるケース
3 購入・利用強制
4 経済上の利益の提供要請
5 取引対価の一方的決定
6 単独の取引拒絶
著者紹介
川村 宜志 (かわむら よしもと)
弁護士・公認不正検査士(牛島総合法律事務所パートナー)
独占禁止法・取適法(下請法)・景表法を専門分野とし、これらに関する公正取引委員会その他の規制当局への対応やその経験を踏まえた企業への法的助言に従事している。また、役員の責任に関する問題への対応、取締役会や株主総会の運営、企業のコンプライアンス・ガバナンスに関する法的助言など、各種企業法務を多数取り扱っている。
冨永 千紘 (とみなが ちひろ)
弁護士(牛島総合法律事務所パートナー)
独占禁止法・取的法(下請法)の対応のほか、株主総会や取締役会の運営、企業のコンプライアンス・ガバナンスに関する法的助言、会社関係訴訟、M&A支援、不正・不祥事に対する危機管理対応、個人情報保護法制対応等の企業法務を扱う。主要著作に『個人情報関連法令スピードチェック』(共著、商事法務・2024年9月)がある。
殿井 健幸 (とのい たけゆき)
弁護士(牛島総合法律事務所シニア・アソシエイト)
企業のガバナンスに関する法的助言、M&A支援、企業関係訴訟、国内外の個人情報保護法制対応、取適法(下請法)対応等の企業法務を扱う。主要著作に『個人情報関連法令スピードチェック』(共著、商事法務・2024年9月)がある。
片桐 和也 (かたぎり かずや)
弁護士(牛島総合法律事務所シニア・アソシエイト)
独占禁止法・取適法(下請法)対応、企業間・株主間の紛争、不動産ファイナンス等の企業法務を扱う。
〇編著者
猿倉 健司 (さるくら けんじ)
弁護士(牛島総合法律事務所パートナー)
国内外の不正・不祥事に対する危機管理対応、公正取引委員会・中小企業庁その他の行政対応、企業間・株主間の紛争のほか、新規ビジネスの立ち上げ支援、M&A支援等を中心に扱う。
The Legal 500 Asia Pacific 2025及び2026のRisk management and investigations部門において紹介される。日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク、日本CSR推進協会等に所属。
『ケーススタディで学ぶ 環境規制と法的リスクへの対応』(第一法規、2024年11月)、『SDGs・ESGと独占禁止法 〜温室効果ガス削減取り組みの総括〜』(BUSINESS LAWYERS、2024年7月)、『危機管理としてのカスハラ対策』(日経リスクインサイト、2024年8月)、日経ビジネス『政府が関連法案を閣議決定 企業間のカスハラ深刻 下請法違反に発展も』(2025年3月28日)、日本経済新聞『企業間でもカスハラ 大口顧客から『暴言』 民事訴訟に発展』(2024年7月1日)など、数多くの寄稿・執筆、コメント、講演・研修講師を行う。



