概要
9年ぶりの書き下ろしエッセイ集、ついに刊行。
「私たちは日々、自分の言葉を殺している」
コピーライター、小説家、エッセイストとして、言葉を生業にしてきた著者が今、あらためて「言霊」に耳を澄ます。誹謗とテンプレートが飛び交い、AIが “それらしい文章” を量産する時代に、自らを救う言葉はどこにあるのか? そして、私たちはいつか自分の言葉で語ることを忘れてしまうのか?
「言葉とは何か」を根源から問う、鋭くも切実な思索の軌跡―。
予約受付中[書店(店舗、オンライン)にてご予約いただけます。]
目次
●言葉に宿るもの
はじめに言葉があった
かつて言葉は「魂」であった
言葉狩りは文化と魂の抹殺である
名作童話の魔法の「言葉」
自分を「言語化」する、ということ
「夜の言葉」を書く者になりたい
自分の「夜」を掘り続ける
●「愛」とそれを巡る言葉
「愛」と「正義」とディズニーアニメ
それでも「愛」について語ってみようか
父が「言葉」を喪っていく
ありがとう、ごめんね
「愛」がわからないから「愛」とは何かと問い続ける
●言葉が私を救うとき
自分を救う言葉を探す
従妹が恋した偽医師
言霊の魔術師・宮沢賢治と尾崎放哉
言霊の魔術師・寺山修司と中原中也
エドガー・アラン・ポーの “Nevermore”
サリンジャーとディックにつかまって
●「意味」の病
フィボナッチ数列という「言葉」
数学音痴はスーパー歌姫の夢を見れるか
脳は我々を偏執的な「意味」の世界に閉じ込める
名前という言霊
●生と死と言葉
AIは自殺を止められるか
「念仏」という不思議な言葉
我々は何故「死にたい」と呟くのか
言葉にならない「怒り」の話
言葉にならない「怒り」の話 その二
私の老いのテーマは「終活」ではなく「執活」である
●言葉が社会を変える
フレディ・マーキュリーの言霊
アドルフ・ヒトラーの言霊
私の母とヒトラーが死ぬまで語らなかったこと
男の言葉、女の言葉
凡人の凡人によるファイナル・メッセージ
著者紹介
中村 うさぎ
1958年福岡県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。コピーライター、ゲーム雑誌のライターを経て、
1991年、型破りな主人公の奇想天外な冒険ファンタジーを描いたライトノベル『ゴクドーくん漫遊記』でデビュー。
その後、自己の浪費家ぶりを赤裸々に綴った『ショッピングの女王』が大ヒットし、エッセイの分野でも注目を浴びる。
『さびしいまる、くるしいまる。』『私という病』『セックス放浪記』『他者という病』『あとは死ぬだけ』など著書多数。



