清文社のオンラインストア

まだ、死んでない

まだ、死んでない

  • 中村うさぎ 著
発行
2025年12月04日
判型
四六判/264頁
ISBN
978-4-433-42515-9
定価
1,760(本体:1,600円)

概要

9年ぶりの書き下ろしエッセイ集、ついに刊行。

「私たちは日々、自分の言葉を殺している」

コピーライター、小説家、エッセイストとして、言葉を生業にしてきた著者が今、あらためて「言霊」に耳を澄ます。誹謗とテンプレートが飛び交い、AIが “それらしい文章” を量産する時代に、自らを救う言葉はどこにあるのか? そして、私たちはいつか自分の言葉で語ることを忘れてしまうのか?
「言葉とは何か」を根源から問う、鋭くも切実な思索の軌跡―。

 

予約受付中[書店(店舗、オンライン)にてご予約いただけます。]

目次

●言葉に宿るもの

はじめに言葉があった

かつて言葉は「魂」であった

言葉狩りは文化と魂の抹殺である

名作童話の魔法の「言葉」

自分を「言語化」する、ということ

「夜の言葉」を書く者になりたい

自分の「夜」を掘り続ける

 

●「愛」とそれを巡る言葉

「愛」と「正義」とディズニーアニメ

それでも「愛」について語ってみようか

父が「言葉」を喪っていく

ありがとう、ごめんね

「愛」がわからないから「愛」とは何かと問い続ける

 

●言葉が私を救うとき

自分を救う言葉を探す

従妹が恋した偽医師

言霊の魔術師・宮沢賢治と尾崎放哉

言霊の魔術師・寺山修司と中原中也

エドガー・アラン・ポーの “Nevermore”

サリンジャーとディックにつかまって

 

●「意味」の病

フィボナッチ数列という「言葉」

数学音痴はスーパー歌姫の夢を見れるか

脳は我々を偏執的な「意味」の世界に閉じ込める

名前という言霊

 

●生と死と言葉

AIは自殺を止められるか

「念仏」という不思議な言葉

我々は何故「死にたい」と呟くのか

言葉にならない「怒り」の話

言葉にならない「怒り」の話 その二

私の老いのテーマは「終活」ではなく「執活」である

 

●言葉が社会を変える

フレディ・マーキュリーの言霊

アドルフ・ヒトラーの言霊

私の母とヒトラーが死ぬまで語らなかったこと

男の言葉、女の言葉

 

凡人の凡人によるファイナル・メッセージ

著者紹介

中村 うさぎ

1958年福岡県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。コピーライター、ゲーム雑誌のライターを経て、
1991年、型破りな主人公の奇想天外な冒険ファンタジーを描いたライトノベル『ゴクドーくん漫遊記』でデビュー。
その後、自己の浪費家ぶりを赤裸々に綴った『ショッピングの女王』が大ヒットし、エッセイの分野でも注目を浴びる。
『さびしいまる、くるしいまる。』『私という病』『セックス放浪記』『他者という病』『あとは死ぬだけ』など著書多数。