概要
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鑑定評価の基本的な知識及び相続税申告における鑑定評価実例を解説し、鑑定評価に関して争われた裁決事例を詳しい図表を用いて検証・考察。税理士をはじめとした相続税申告に携わる実務家必携の一冊。
税理士・笹岡宏保氏推薦!「実践的な事例を用いて解説された類書の追随を許さない良書」(本書「推薦の言葉」より)
目次
序論 相続税土地評価における不動産鑑定評価と「特別の事情」の考え方
1 はじめに
2 「特別の事情」の構成要件
3 「合理性欠如説」と「合理性比較説」
4 旧4基準から新3基準へ
5 相続税財産評価において鑑定評価に求められること
6 本書の構成と着目点
第1部 鑑定評価を採用すべき「特別の事情」がある土地の評価実例
■本書を理解するための鑑定評価の基礎知識
実例1 平坦だが、やや造成費が嵩む大規模画地
実例2 路線価が低い地域に存する大規模画地
実例3 中小工場地区内の大規模画地(地積規模の大きな宅地の適用不可)
実例4 道路面との高低差があり、地盤がやや弱い大規模画地
実例5 前面道路が階段状で敷地内高低差を有する土地
実例6 前面道路・隣地との高低差が著しい自宅敷地
実例7 路線価がやや低い地域に存する市街地山林
実例8 宅地への転用ができない市街地山林(純山林)
COLUMN 宅地造成費について考える
実例9 土砂災害特別警戒区域にかかる大規模地
実例10 建築基準法第43条2項2号空地に面する大規模画地
実例11 区画数が多く、需要者は底地業者となる底地
実例12 敷地がやや大きく、個別性から相当の減価が見込まれた底地
実例13 分譲マンションの底地
実例14 市街化調整区域内の規模が大きく傾斜のある自宅敷地
実例15 市街化調整区域内の中間山林
実例16 建築不可である市街化調整区域内の雑種地
実例17 地方に存する傾斜が著しい別荘地
実例18 老朽化した分譲マンション
補論 マンション評価改正による財産評価と時価評価の乖離
実例19 減価要因が複合的に存しており、価値が著しく低くなる土地
実例20 建築基準法上の道路に接道しない規模の大きな生産緑地
実例21 建築基準法上の道路に該当しない道路に路線価が付された建築確認不可物件
実例22 間口が著しく狭小である建築確認不可物件
実例23 道路協力地を2パターン想定した無道路地
実例24 建築基準法上の道路に接道しない線路際の土地
実例25 建築基準法の道路まで相当の距離がある無道路の農地
第2部 鑑定評価を用いた相続税評価額をめぐる裁決事例の考察
CASE1 面大地の駐車場に対して鑑定評価で申告を行った事例
CASE2 大規模地に対して広大地評価より低い評価となる鑑定評価を行った事例
CASE3 土地の規模、地勢、擁壁等に対する特別な事情の適否が問われた事例
CASE4 品等の高い住宅地域内の土地建物に対して鑑定評価を行った事例
CASE5 傾斜のある市街地山林に対して広大地評価より
低い評価となる鑑定評価を行った事例
CASE6 無道路の大規模地に対する鑑定評価の合理性が問われた事例
CASE7 建築基準法上の道路に接面しない農地に対して
審判所側鑑定評価が採用された事例
CASE8 都市計画道路計画線内に存する土地に対して鑑定評価額で申告を行った事例
CASE9 河川に隣接する非線引都市計画区域内の土地について鑑定評価を行った事例
CASE10 市街化調整区域内の宅地、貸家建付地、雑種地に対して
不動産鑑定士による価格調査報告書で申告を行った事例
著者紹介
永井 宏治(ながい こうじ)
株式会社東京アプレイザル 取締役
不動産鑑定士
不動産証券化協会認定マスター
宅地建物取引士
昭和54年千葉県出身。平成14年明治大学商学部商学科卒業。IT企業勤務等を経て平成21年株式会社東京アプレイザル入社。平成23年不動産鑑定士登録。国土交通省地価公示鑑定評価員、千葉県地価調査鑑定評価員。(公社)日本不動産鑑定士協会連合会「相続専門性研修プログラム」修了。
「綿密な調査に基づいた正確な対象不動産の把握の上に、適切な鑑定評価・財産評価が成り立つ」ことを信条とし、相続財産である不動産についてCADを用いた評価単位判定を推進している。令和7年より、土地評価に特化した「相続土地評価アカデミー」を開講。東京アプレイザル実務セミナー、税理士会支部研修、税理士事務所研修における講師歴多数。
【主な著書】
『不動産鑑定士が教える! 相続土地評価に生かす不動産調査とCAD作図術』(清文社)
『相続税申告で鑑定評価を採用すべきケース25』(共著・清文社)