概要
令和6年1月相続・贈与分から適用される区分所有マンションの相続税評価の方法について、その概要と実務上重要なポイントを詳説し、様々な物件を対象とした評価額変動のシミュレーションを収録。新しい評価方法の解説に加え、従来の区分所有マンションの評価方法や不動産の評価差額を活用した相続対策の否認事例もわかりやすく解説。
目次
第1章 従来の区分所有マンションの評価方法
1 区分所有マンションの評価方法
2 階層や方位等によって分譲価額が異なっている場合の評価方法
3 所有しているマンション内の駐車場の土地及び建物の評価
4 借地権付分譲マンションの評価
5 宅地の評価単位
Column 「一団地建築物設計制度」と「連担建築物設計制度」
6 容積率の異なる地域にわたる宅地
7 複数の路線に面する土地
8 不整形地の評価
9 地積規模の大きな宅地等
10 マンションの敷地から除外する土地
11 公開空地と歩道状空地
12 小規模宅地等の特例
第2章 不動産の評価差額を活用した相続対策の否認事例
Ⅰ 総則6項による否認事例
1 東京高裁判決(昭和56年1月28日)上告
2 東京地裁判決(平成4年3月11日)控訴
3 東京地裁判決(平成5年2月16日)控訴
4 国税不服審判所裁決(平成22年9月27日)
5 国税不服審判所裁決(平成23年7月1日)
6 東京高裁判決(平成27年12月17日)上告
7 最高裁判決(令和4年4月19日)棄却
Column 判決に対する控訴と上告
8 東京高裁判決(令和3年4月27日)上告
9 国税不服審判所裁決(令和5年2月9日)
10 不動産鑑定士による鑑定評価額に関する裁決例
Ⅱ 相続対策への留意点
1 更正処分を受けた事案に共通する前提条件
2 争いを避けるための方策
Column 著しく低い価額
第3章 新しい区分所有マンションの評価方法
Ⅰ 平成29年度税制改正によるタワーマンションへの税制上の対応
Ⅱ 新しいマンションの評価方法
1 マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議
2 評価額が市場価格と乖離する主な要因
3 乖離を是正するための評価方法の検討
4 「居住用の区分所有財産の評価について」の法令解釈通達の概要
5 居住用の区分所有財産の評価について(法令解釈通達)
6 評価の留意点
7 評価乖離率を算定する際の端数処理
8 評価方法
9 設例で検証
Column 区分所有補正率の限界値は2.6倍?
10 実務への影響
資料 評価乖離率算定のための早見表
著者紹介
山本 和義(やまもと かずよし)
税理士・行政書士・CFP
昭和27年 大阪に生まれる
昭和50年 関西大学卒業後会計事務所勤務を経て
昭和57年 山本和義税理士事務所開業
平成16年 山本和義税理士事務所を税理士法人FP総合研究所に改組 代表社員に就任
平成29年9月 税理士法人FP総合研究所を次世代へ事業承継
平成29年10月 税理士法人ファミリィ設立 代表社員に就任
著書
『令和5年10月改訂 タイムリミットで考える 相続税対策実践ハンドブック〔生前対策編〕』(清文社)
『新版 タイムリミットで考える 相続税対策実践ハンドブック〔遺産分割・申告実務編〕』(清文社)
『立場で異なる自社株評価と相続対策』(清文社)
『上場株式等の相続と有利な物納選択』(共著・清文社)
『Q&A おひとりさま〔高齢単身者〕の相続・老後資金対策』(共著・清文社)
『失敗のない特例事業承継税制の活用実務ガイド』(実務出版)
『税理士が知っておきたい 相続発生後でもできる相続税対策』(新日本法規出版)
『配偶者居住権と相続対策の実務』(新日本法規出版)
『遺言書作成・生前贈与・不動産管理法人・生命保険の活用による税務実務』
(大蔵財務協会)
『遺産分割と相続発生後の対策』(共著・大蔵財務協会)
『相続財産がないことの確認』(共著・TKC出版)ほか