概要
会社の経営を大きく左右しかねない「天気・天候・気候」について、会計の視点を交えて解説。大雨・台風など日々の天気や天候不順がもたらすリスク、昨今の気候変動による社会への具体的な影響など、広く会社経営に役立つ知識が満載。
目次
第1章 そもそも「天気」「天候」「気候」はどう違うのか
1 「明日の天気」のことを「明日の気候」とはいわない
~時間スケールの違い~
2 「千代田区の天気」のことを「千代田区の気候」とはいわない
~対象範囲の違い~
第2章 日々の天気と経営
昔からある、そしてこれからもあるリスク
1 売上高への影響
2 原材料、売上原価への影響
3 販管費への影響
4 有形固定資産への影響
第3章 天気・天候に係る事例分析
1 梅雨明けの遅れがコンビニの売上に及ぼす影響
2 気温の推移が衣料品の売上に及ぼす影響
第4章 天候不順と経営
異常な天気の継続がもたらす影響
1 海外の干ばつが日本の菓子メーカーの業績に与えた影響
2 タイの洪水が日本企業の財務に与えた影響
3 はるか遠くの海水温度異常がもたらす影響
~エルニーニョ現象とラニーニャ現象~
4 厳冬で花粉が飛ばなかったことによる「減収減益」
第5章 気候変動で激変するものは何か?
1 資源の枯渇に気づいた人類はどう行動するか
2 年平均気温について見落としがちなこと
3 今世紀末の夏は毎日が猛暑日と熱帯夜に
4 雨の降り方が極端になる
5 それは気温の上昇だけではない
第6章 気候変動と脱炭素による社会への具体的な影響
1 脱炭素が正義になった
2 レジ袋有料化で昭和時代に逆戻りした買い物
3 モノへの制約をどう補うか
4 モノへの制約を情報で打開したシェアリングエコノミー
5 固定費の比率が高くなるシェアビジネス
6 損益分岐点の求め方
7 制約を受けるモノ(炭素)から制約を受けないモノ(水素)への転換
8 消費者の価値観の変化に翻弄される売上高
9 環境コストの上乗せによるライフサイクルコストの上昇
10 マテリアルフローコスト会計と二酸化炭素排出量の削減
11 環境負荷の高い従来型産業の減損リスク
12 座礁資産と減損会計の関係
13 モノへの制約を突破する研究開発投資の増加
第7章 日本企業にとって気候リスクとは何か?
1 気候に関するリスクをどう分類するか
~物理的リスクと移行リスク~
2 有価証券報告書における気候関連リスクのヒット件数
3 環境先進国のヨーロッパにハリケーンは来ない
4 日本は自然災害リスクの高い国
著者紹介
石王丸 周夫(いしおうまる・のりお)
公認会計士。1968年生まれ。
監査法人トーマツ
(現有限責任監査法人トーマツ)を経て、2004年に石王丸公認会計士事務所開業。会計監査業務や内部監査業務を提供しているほか、実務担当者向けセミナーの講師を担当。
2007年に気象予報士登録。
主著に『図解連結決算のしくみと読み方』(中央経済社)、『経理財務担当者、士業のための 最短で導き出す分配可能額』(清文社)等がある。