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税法創造論

税法創造論 税法における法創造と創造的研究

  • 谷口勢津夫 著
発行
2022年03月17日
判型
A5判1,096頁(箱入・上製)
ISBN
978-4-433-73842-6
定価
8,800(本体:8,000円)

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概要

租税法律主義を最大限重視・尊重しつつ「法律で書かれていないこと」を探究してきた著者の「創造的研究」に関する論文を収録。

目次

第1部 租税法律主義と税法の解釈適用の限界

 1 租税法律主義(憲法84条)

     【初出】日税研論集77号(2020年)243頁

 2 税法における自由と平等

    ─ドイツ税法学における実質的法治国家論の展開─

     【初出】税法学546号(2001年)203頁

 3 自由主義的租税観と民主主義的租税観

    ─私の租税教育論─

     【初出】税務弘報64巻6号(2016年)70頁(原題:私の租税教育論⑨)

 4 税法における命令委任と租税法律主義の潜脱

     【初出】阪大法学66巻3・4号(2016年)487頁

 5 ふるさと納税制度に係る委任命令の地方税法違反

     【初出】民商法雑誌157巻2号(2021年)281頁

 6 租税法律主義と司法的救済保障原則 

    ─裁判官による文理解釈の「適正化」のための法創造根拠理由の研究─

     【初出】税法学586号(2021年)377頁

 7 租税法は私法?!

    ─私法からみた租税法の「表の世界」と「裏の世界」─

     【初出】法学教室425号(2016年)8頁

 8 借用概念と目的論的解釈

     【初出】税法学539号(1998年)105頁

 9 租税回避と税法の解釈適用方法論

    ─税法の目的論的解釈の「過形成」を中心に─

     【初出】岡村忠生編著『租税回避研究の展開と課題[清永敬次先生謝恩論文集]』

         (ミネルヴァ書房・2015年)1頁

 10 租税回避の法的意義・評価とその否認

     【初出】税法学577号(2017年)245号

 11 同族会社税制の沿革及び現状と課題

     【初出】税研192号(2017年)34頁

 12 権利濫用

     【初出】金子宏=中里実編『租税法と民法』(有斐閣・2018年)15頁

 13 租税回避否認規定に係る要件事実論

     【初出】伊藤滋夫=岩﨑政明編『租税訴訟における要件事実論の展開』

         (青林書院・2016年)276頁

 

第2部 租税実体法と租税手続法

 14 市場所得説と所得概念の憲法的構成

    ─パウル・キルヒホフの所説を中心に─

     【初出】碓井光明ほか編『公法学の法と政策(上巻)金子宏先生古稀祝賀』

       (有斐閣・2000年)465頁

 15 税制における担税力の意義

     【初出】税研119号(2005年)33頁

 16 法人税法における評価損益と四層の包括的所得概念

     【初出】阪大法学64巻2号(2014年)317頁

 17 「同時二重課税」と「異時二重課税」との「僅差」を読む

     【初出】近畿税理士界600号(2014年4月)6頁

 18 違法支出論における債務確定主義の意義と機能

     【初出】立命館法学352号(2013年)2909頁

 19 所得の帰属

     【初出】金子宏編『租税法の基本問題』(有斐閣・2007年)179頁

 20 税法における所得の年度帰属

    ─税法上の実現主義の意義と判断枠組み─

     【初出】税法学566号(2011年)267頁

 21 収入金額の計上時期に関する実現主義の意義

    ─判例分析を中心に─

     【初出】阪大法学64巻6号(2015年)1529頁

 22 わが国における実額控除と概算控除

    ─公平対簡素な税制の観点から─

     【初出】税研185号(2016年)34頁

 23 人的控除

     【初出】税研146号(2009年)86頁

 24 公正処理基準の法的意義

    ─税法における恣意の排除と民主的正統性の確保─

     【初出】近畿大學法学65巻3・4号(2018年)213頁

 25 課税対象取引

    ─納税義務者の検討も含めて─

     【初出】日税研論集70号(2017年)215頁

 26 未経過固定資産税等相当額精算金の課税上の取扱い

     【初出】九州北部税理士会会報604号(2015年)30頁

 27 錯誤に基づく選択権行使の拘束力に関する一考察

     【初出】税法学491号(1991年)1頁、492号(同)1頁

 28 租税負担選択権の憲法上の許容性

     【初出】総合税制研究1号(1992年)97頁

 29 課税要件法上の選択手続と法的救済

     【初出】石島弘ほか編『山田二郎先生古稀記念 税法の課題と超克』

         (信山社・2000年)485頁

 30 納税義務の確定の法理

     【初出】芝池義一ほか編『租税行政と権利保護』(ミネルヴァ書房・1995年)61頁

 31 登録免許税の法的構造と権利救済

    ─納税義務の自動確定に関する一考察─

     【初出】佐藤英善=首藤重幸編

         『行政法と租税法の課題と展望 新井隆一先生古稀記念』

         (成文堂・2000年)347頁

 32 申告納税制度と税務調査

    ─税務調査手続における手続的保障原則の実現に向けての一考察─

     【初出】三木義一先生古稀記念論文集編集委員会編

        『現代税法と納税者の権利 三木義一先生古稀記念論文集』

        (法律文化社・2020年)228頁

 33 青色申告制度における税務行政の帳簿書類確認努力義務

    ─青色申告者と税務行政との関係に関する一考察─

     【初出】波多野弘先生古稀祝賀記念論文集刊行委員会編

        『波多野弘先生古稀祝賀記念論文集』(清文社・1999年)177頁

 34 重加算税における隠ぺい・仮装行為主体論

     【初出】佐藤幸治=泉徳治編

        『滝井繁雄先生追悼論集 行政訴訟の活発化と国民の権利重視の行政へ』

         (日本評論社・2017年)396頁

 35 租税条約上の権利救済手続

    ─ドイツにおける展開─

     【初出】甲南法学40巻3・4号(2000年)101頁

 36 国際的租税救済論序説

    ─国際的租税救済手続の体系的整備に向けた試論─

     【初出】租税法研究42号(2014年)1頁

 37 国際課税における納税者の権利救済

     【初出】法の支配193号(2019年)60頁

 38 課税処分取消訴訟に係る訴えの利益と更正の請求の排他性

     【初出】税法学575号(2016年)135頁

 39 過大納付税額の不当利得返還請求の許容性

     【初出】曽和俊文ほか編『芝池義一先生古稀記念 行政法理論の探究』

         (有斐閣・2016年)437頁

著者紹介

谷口勢津夫(たにぐち せつお)

大阪大学大学院高等司法研究科教授
1956年7月7日高知県生まれ

1986年3月京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位修得退学

甲南大学法学部教授を経て、2004年4月より現職

 

著書に、『租税条約論』(清文社・1999年)、『租税回避論』(清文社・2014年)『租税法演習ノート[第4版]』(共著・弘文堂・2021年)、『税法の基礎理論』(清文社・2021年)、『税法基本講義[第7版]』(弘文堂・2021年)、『基礎から学べる租税法〔第3版〕』(共著・弘文堂・2022年)などがある。