概要
新旧17の判例(憲・民・刑)を取り上げ、事案の概要と法的判断について、著者独特の視点を織り交ぜながらわかりやすく解説。裁判規範としての結論を端的に解説する判例集とは趣旨を異にし、実務で軽視されがちな「事実関係」に重点を置いて詳解。
各判例解説のリードとなる著者渾身の創作マンガを収録。
目次
春判例
空飛ぶ座布団とハンカチ
大審院大正13年4月25日第六刑事部判決
身内が他人!?
最高裁昭和47年5月30日第三小法廷判決
汝、破綻前に姦淫するなかれ。
最高裁平成8年3月26日第三小法廷判決
サッカーボールの行方
最高裁平成27年4月9日第一小法廷判決
夏判例
ねらわれた動物
大審院大正14年6月9日第一刑事部判決
109+110=219?
最高裁昭和45年7月28日第三小法廷判決
地鎮祭やめますか、それとも政教分離やめますか。
最高裁昭和52年7月13日大法廷判決
魔法の電話であなたにもキャッシュバック
最高裁昭和61年6月24日第一小法廷決定
秋判例
あなたはもう忘れたかしら老舗は売ろうねって言ったのに
大審院大正14年11月28日第三民事部判決
止まれなかった電車、生まれたものとみなされた子ども
大審院昭和7年10月6日第一民事部判決
ねらわれた温泉
大審院昭和10年10月5日第三民事部判決
被害者の「あるがまま」ではなく。
最高裁平成8年10月29日第三小法廷判決
私の父は私が生まれる1年前に亡くなりました。
最高裁平成18年9月4日第二小法廷判決
冬判例
過失とは「予見すれども回避せず」
大審院大正5年12月22日第一民事部判決
とらえる地下鉄。そして、とらわれる乗客。
最高裁昭和63年12月20日大法廷判決
そのとき総理は動いた。
最高裁平成7年2月22日大法廷判決
当選金額1980万円が必ず当たる特別抽選
最高裁平成29年12月11日第三小法廷決定
著者紹介
中村 真(なかむら・まこと)
弁護士・中小企業診断士
2000年 神戸大学法学部卒業
2003年 弁護士登録
2014年 神戸大学法科大学院講師(ローヤリング)
2015年 経済産業省中小企業庁・経営革新等支援機関認定
神戸簡易裁判所民事調停官(~2019年9月)
2018年 中小企業診断士登録
2020年 兵庫県弁護士会副会長
2021年 神戸大学大学院法学研究科 法曹実務教授
【主要著書等】
・『要件事実入門』[マンガ](創耕舎) 2014年
・『交通事件処理マニュアル(新版補訂版)』[表紙イラスト]
(大阪弁護士会交通事故委員会)2018年
・『若手法律家のための法律相談入門』(学陽書房)2016年
・『破産管財PRACTICE』[編著](民事法研究会)2017年
・『裁判官!当職そこが知りたかったのです。─民事訴訟がはかどる本─』(学陽書房)2017年
・『相続道の歩き方』(清文社)2018年
・『若手法律家のための民事尋問戦略』(学陽書房)2019年
・『破産管財ADVANCED』[編著](民事法研究会)2020年
・『実務家が陥りやすい 相続人不存在・不在者 財産管理の落とし穴』[編著](新日本法規)2020年
・『実務家が陥りやすい 破産管財の落とし穴』[編著](新日本法規)2021年