概要
法務部の基本的な役割や業務を図解を用いてわかりやすく解説するとともに、法務部の役割を多角的な視点で俯瞰し、これからの法務部の在り方を解説。弁護士等専門家への上手なアウトソーシングや人材育成企業活動、経営・財務理解等、これからの法務部の役割に言及。
目次
第1章 企業における法務ニーズ
~現実を直視した合理的対応の必要性~
1 法務部門の役割は広い
2 法務部門の必要性 ~企業の置かれている状況
3 法務部門の位置づけ ~経営側の課題
4 これからの中小企業の法務
5 大企業の企業集団における法務 ~自社の業務だけではない
6 法務部門がカバーする法令
7 法務部門の3つの機能
8 法務の手法 ~リスク・マネジメントとクライシス・マネジメントが基本
9 情報収集・発信と教育・人材育成
第2章 法務ニーズへの役割分担
~領域別の連携方法を整理・改善~
1 契約取引業務~かなり予防できる契約トラブル
2 コーポレート
3 製造・品質管理
4 人事労務~労働法務、労務・人事管理法務
5 消費者保護法
6 情報管理とITへの対応
7 知的財産権
8 M&A取引と事業再編
9 事業再生
第3章 法務部門の機能アップ
~将来的な課題の克服に向けて~
1 法務部門の側の課題~法務部門が役に立たなくなる要因を直視する
2 法務部門を指揮する経営側の課題
3 法務部門を利用する他部署・現場の課題
4 法務の品質自体の課題~付加価値アップの重要課題
第4章 専門士業との連携における諸問題
~賢い依頼者になるための留意事項~
1 外部専門家に依頼する機会の増加
2 職域の整理
3 専門職種の起用・選別の着眼点
4 社外弁護士への依頼のタイミング~早期の依頼が望ましい
5 依頼目的の明確化
6 弁護士からのサービスの受け方
7 「悪徳弁護士」の餌食にならないために
8 顧問契約の考え方と活用法
9 品質と報酬のコントロール
10 弁護士意見書への不満
11 専門士業の利益相反問題
第5章 トラブル紛争対応の法務
~発見から調査・解決までの見通し~
1 内部通報制度の構築と内部通報対応
2 社内調査と問題対応
3 対応方針の選択~紛争回避か徹底抗戦かの見通しと判断
4 コミュニケーションにおける十分なバックアップ
5 反社会的勢力対応
6 債権管理や資産の保全
7 紛争解決法務の中核~訴訟・仲裁事件対応
第6章 グローバル法務への新潮流
~海外進出、事業拡大のリスク管理~
1 グローバル化に伴う諸問題
2 国際的取引における課題~その特殊性を踏まえて
3 多国籍事業展開における課題
4 戦略的な訴訟提起
5 グローバルな法改正の潮流
6 国際的な商事取引紛争への対応
7 多国籍事業における戦略法務の重要性
第7章 コンプライアンスとCSR対応
~実効性を確保する組織的取組み~
1 リスク・マネジメントとしてのコンプライアンス・CSR法務
2 法務部門とコンプライアンス・CSR部門の関係
3 効果的・効率的に機能するコンプライアンスへの取組み
4 従業員の意識改革に向けて
5 企業の説明責任
6 コンプライアンスで付加価値アップ
7 パフォーマンス検証~法務部門の監査
第8章 人材育成に向けた戦略的な協働
~状況に応じた起用と育成~
1 法務部員に求められる能力
2 法務部員の採用段階での考慮項目
3 企業法務を支える人材の獲得方法
4 法務人材の育成方法
5 前向きの戦略的思考をどう養うか
6 法務人材の評価
7 法務スタッフの安定的な定着を図る必要性
8 広がる活躍の可能性
著者紹介
浜辺 陽一郎(はまべ よういちろう)
弁護士・青山学院大学法学部教授
1984年 司法試験合格
1985年 慶應義塾大学法学部卒業
1987年 弁護士登録(第二東京弁護士会)
1995年 米国ニューヨーク州弁護士登録
都内やアメリカの法律事務所を経て、現在、弁護士法人早稲田大学リーガル・クリニックにおいて企業法務を中心に弁護士業務に携わる。日本経営倫理学会常任理事、日本内部統制研究学会理事、日米法学会評議員等歴任。
【主な著書】
『現代国際ビジネス法(第2版)』(日本加除出版)、『図解 新会社法のしくみ(第4版)』
『図解 コンプライアンス経営(第4版)』(東洋経済新報社)、『図解でわかる新民法[債権法]』(清文社)、他多数