国税調査の舞台裏
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- 税理士 小倉敏郎 著
- 発行
- 2021年09月24日
- 判型
- A5判/228頁
- ISBN
- 978-4-433-73521-0
- 定価
- 1,980円(本体:1,800円)
在庫なし
概要
税務署の法人課税部門をはじめ、国税局の資料調査課、査察部など国税調査の最前線で活躍してきた著者が、その舞台裏をやわらかい語り口で解説。調査をする側、される側にかかわらず、税務調査に携わるすべての方におすすめの一冊。
目次
第一幕 組織
1 国税庁の組織
〇司令塔は霞が関のひときわ古い建物
〇全国12国税局等とその傘下の524税務署の指揮命令を行う
〇税務大学校は人材育成の要
〇国税不服審判所
〇民間出身の審判官
〇国税庁実績評価実施計画に基づいた業務目標
2 人事
〇国税局採用が大多数
〇採用の区分
〇毎年全体の3分の1程度が人事異動
〇7月10日の風景
〇背番号(事務系統)
〇出向、他人の飯
〇指定官って何が指定?
3 予算と定員
〇令和2(2020)年度予算は7,194億円
〇会計検査院検査は強敵です
〇令和3(2021)年度の定員は55,954人
4 広報
〇広報と情報公開は進んでいる
〇国税庁レポート(毎年6月)
〇国際戦略トータルプラン(毎年1月)
〇ファイナンス(財務省月刊誌)
〇税務行政のデジタル・トランスフォーメーション
〇報道発表の読み方
〇パブリックコメント
5 税理士
〇税理士の監督官庁
〇税理士のプロ意識
第二幕 調査の実態
1 調査の現状
〇調査による接触率は低くなっている
〇税目ごとの接触方法など
〇実地調査の割合はどの程度なの?
〇所得税及び個人の消費税調査等の状況
〇相続税は5人に1人が調査を受ける
〇法人の調査は30年に1回だけ?
〇無申告への対応
〇消費税不正還付への対応
〇消費税の特殊性、4分の1以上が還付される!
〇調査手続の変更
〇なぜ調査手続は変更されたの?
〇特別調査は何が特別?
〇リョウチョウ(資料調査課)
〇調査部調査
〇北風よりも太陽を!政策
〇犯則調査(査察部調査)
〇新型コロナウイルスの影響で調査件数は個人29%法人23%減少
2 選定
〇調査対象の的確な選定に向けて
〇部門管理
〇法人課税部門の場合
〇個人課税部門の場合
〇資産課税部門の場合
〇広域運営
〇国税局事案の選定
〇PT事案の選定
〇資料情報の収集と活用
3 事前準備
〇見るべき項目の絞り込みと優先度の見極め
〇事前通知の判断基準
〇外観調査
〇同族グループ法人などの情報収集
〇不正想定図
〇着手前の打合せの風景
〇配置表は成績発表
4 調査着手
〇現場確認調査
〇B/Sの調査次第で追徴税額は0%~100%以上?
〇事前準備項目の解明が最優先
〇政治家秘書の陳情、各種団体幹部からの陳情
5 裏付け調査
〇取引先への反面調査
〇銀行・証券会社調査など
〇国外取引でも反面調査されるの?
6 部内決裁
〇統括官の役割
〇調査経過の復命(調査の経過報告)
〇処理方針の説明
〇ジュウシン(重要事案審議会)
〇サレン(査察部情報連絡せん)
〇税法の適用チェックはどうするの?
7 調査終了の際の手続
〇非違がある場合・ない場合
8 査察調査
〇「国税犯則取締法」の廃止
〇査察部の処理状況
〇犬が歩いて棒に当たったらどうしよう!
〇着手されたら7割有罪!告発割合と起訴・不起訴
〇ナサケ(情報担当)とシラベ(調査担当)
〇キップ・札(臨検、捜索、差押等の許可状)
〇合同調査
〇他犯罪との併合
〇無申告も悪いが、不正還付はもっと悪い
〇無申告事案
〇罰金と懲役
〇査察官個人の名前で書類が作成される
〇査察の将来
9 救済制度
〇再調査の請求
〇審査請求
〇訴訟提起
〇調査手続の改正の影響
10 時効等
〇時効と海外脱出
11 その他(都市伝説等)
〇調査の仕事をがんばったら給料は上がるの?
〇ノルマってあるの?
〇「お土産」って要るの?
〇調査担当者のミス、失敗はどうするの?
〇優良申告法人制度
〇税務に関するコーポレートガバナンスの充実
〇滞納処分
〇繰上請求
第三幕 今後の動向
1 国際課税
〇国際戦略トータルプラン
〇国外財産調書
〇国外転出時課税
2 資料情報
〇外国との情報交換
〇新たな情報照会手続(2020年1月~)
〇金融資産に個人番号の利用拡大(2020年4月~)
〇財産債務調書と暗号資産
〇AIで調査の高度化と効率化を
3 加算税
〇加算税が大変なことになってます!
4 その他
〇消費税インボイス制度の導入により調査は変わるのか?
〇インボイスの登録番号と個人番号、法人番号の関係は?
〇事前相談制度
〇調査対応のアドバイス
参考資料
〇調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について
〇国税通則法第7章の2(国税の調査)等関係通達の制定について
著者紹介
小倉 敏郎 (おぐら としろう)
昭和32年生まれ
兵庫県宍粟市出身
昭和51年4月 大阪国税局採用(税務大学校普通科36期)
平成元年7月 大阪国税局 直税部 資料調査課
平成7年7月 大阪国税局 課税第二部 法人課税課
平成12年7月 金融庁 検査局
平成14年7月 大阪国税局 課税第二部 資料調査課
平成18年7月 預金保険機構 大阪業務部
平成28年7月 大阪国税局 査察部
平成29年7月 芦屋税務署長
平成30年8月 税理士登録
平成30年10月 経営革新等支援機関認定