3訂版 徹底解説 不動産契約書Q&A
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このように土地・建物の賃貸借については、借地借家法により、民法の一般規定が修正されます。法律と当事者の合意の優先関係関係を、借地借家法を例にしてみると、次のようになります。に突然登場して、法律適用の有効性を制限するものに、信義則があります。信義則は、民法1条が掲げる民法全体を貫く基本原則です。同条2項を、一般に、信義則(信義誠実の原則)といいます。信義とは、「いつわったりあざむいたりせず、真実で正しい道を守ること」(大辞林)です。信義則とは、たとえ契約で取り決められていても、それが不当な、または過度な権利の主張にあたる場合は、「正しい道を守る」という視点から排除する一般原則です。信義則の適用例たとえば、家賃を月末までに支払うという約定に反して、やむを得ない事情で1日遅れてしまった場合、契約違反に第1章契約に関する基本事項任意規定と強行規定、一般法と特別法の8民法・借地借家法の強行規定>当事者の合意(基本原則)民法第1条私権は、公共の福祉に適合しなければならない。2権利の行使および義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。3権利の濫用は、これを許さない。当事者の合意>借地借家法の任意規定借地借家法の任意規定>民法の任意規定1-4信義則とは信義則強行規定と任意規定および一般法と特別法という、法律適用の優先関係を律する原則とは別に、トランプのジョーカーのよう

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