(1)本書の初版は、平成23(2011)年6月に不動産鑑定士の杉本幸雄先生により、不動産契約書の読み方・作り方を実務に則してわかりやすく解説するために発刊されました。平成29(2017)年10月に出版の新版は、同年5月26日に成立した民法の債権関係の規定の大改正について、成立直後で施行までは時間がありましたが不動産契約書への影響が大きいため、改正前(当時の現行法)の条文を本文で解説した上で改正によりどのように変わるのかを付加して解説しました。その大改正は、令和2(2020)年4月1日から施行されて約3年経過して実務に定着してきましたので、今回出版の3訂版は、改正後の条文による不動産契約書の読み方・作り方を本文で解説し、必要に応じて改正前の条文について解説しています。ところで、相続登記や住所変更登記がされない等により所有者不明土地(不もなり、土地の利活用を阻害する等の問題が生じていました。そこで、所有者不明土地等の発生予防と利用の円滑化を目的として、令和3年4月21日に民法の物権や相続関係の規定や不動産登記法の改正、相続土地国庫帰属法の新設が行われました。所有者不明土地等の発生予防の方策としては、相続登記の申請の義務化、相続人申告登記の新設、所有不動産記録証明制度の新設、職権による登記名義人の死亡の公示、住所等の変更登記の申請の義務化、職権による住所等の変更登記の導入、住所が国外の登記名義人に国内連絡先の登記の導入、相続土地を国庫に帰属させる制度の創設等があり、所有者不明土地等の利用の円滑化を図る方策としては、所有者不明土地・建物の管理制度の創設、管理不全土地・建物の管理制度の創設、共有物の管理や変更の円滑化を図る仕組みの整備、相続開〜令和3年4月の民法の物権編・相続編、不動産登記法等の改正の概要〜動産登記により所有者が直ちに判明しない土地や所有者が判明してもその所在が不明で連絡がつかない土地)が増え、その割合は令和2年には日本国土の24%に3訂版にあたって
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