Q1-7A不動産を調査する際の具体的な目的はさまざまですが、主な目的として以下のようなものがあります。①個人が自宅を購入する②不動産業者・ディベロッパー等が、業務で不動産を取得・賃借する③金融機関が、融資にあたって担保評価をする④投資不動産の取得や不動産証券化のために、対象資産を調査する⑤地方公共団体が、用地取得・売払い・固定資産税課税のために調査する⑥スーパー等が出店のために、不動産を取得・賃借する⑦商社等が取引にあたって、取引先の資産の調査をする⑧会社が時価評価のために、所有資産を評価する⑨宅建業者が、重要事項説明書作成のために調査する⑩会計事務所が、相続税等に関連して財産評価を行う⑪不動産鑑定業者が、鑑定等のために調査する目的に応じて、調査項目、調査作業の粗密、重点のかけ方は異なります。取引先の資産状況を秘密裏に調査する際に、敷地内にある建物や占有関係を詳細に調査することはできません。また、時間や予算をかけられない調査では、調査項目は限られた内容にとどめざるを得ません。思わぬリスクが隠れており、トラブルに巻き込まれることもあります。不動産取引を行う場合、通常は仲介業者が物件の状況を調査して売買当事者に説明してくれますが、仲介業者による説明で必要とする情報を網羅できるとは限りません。そこで、不当産取引の当事者がみずから費用を負担して自主的に物件を精査し、不動産に関するあらゆるリスクを事前に把握すべく努力をすることが当然に必要なのです。個別の調査において、本書で述べるすべての項目を調査する必要はなく、調第1節不動産調査にあたって7不動産の調査が必要になる具体的な場面は
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