Q1-5A土地は法律上の諸規制や、立地条件(まとめて「諸条件」とします)によって利用できる用途や内容が大きく異なり、結果として、土地の価格も諸条件によって大きな差が生じることになります。大都市の中心商業地と地方都市の商店街では立地条件や利用方法が異なるため、地価に大きな格差が生じるのは当然です。家を建てる目的で土地を求めるとき、もし購入しようとしている土地が建物の建築ができない条件の土地であった場合、購入の目的を果たすことができなくなります。容に格差があり、公平な取引が実現できない可能性があることを意味します。たとえば、なんらかの問題がある不動産の売買を行う場合、売り手は説明義務がある情報については買い手に伝える必要がありますが、それ以上の情報は買い手に積極的に説明をしたくないと思うかもしれません。実際の取引でも、当事者が同じ情報を持った上で意思決定できるとは限らず、むしろ、当事者間で保有する情報量に格差があるのが普通であり、通常は売り手がより多くの情報を保有します。つまり、不動産取引においては、売り手から十分な情報が提供されるとは限らないので、買い手は自分の責任で必要な情報を収集する必要があるのです。また、関係者が非常に多くなることも商品としての不動産の特徴です。不動産仲介において、■つの物件を複数の仲介業者が取り扱うことは珍しいことではありません。このような場合、複数の仲介業者が個々に情報を収集した結果、■つの物件に異なる情報が並立し、非常にわかりにくい状態になることがあります。このような状態で正しい判断を行うためには、他者が提供する情報を鵜呑みにせず、確かな情報を自ら収集する姿勢が重要になります。つまり、不動産の利用・取引・承継等を行う場合、十分な調査を行ってその不動産が置かれた「諸条件」を正しく把握しなければ、正しい判断を行うことはできません。調査を怠った場合、思わぬ損害を被ったり、チャンスを逃した第1節不動産調査にあたって5なぜ不動産の調査が必要なのか
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