第4版 不動産調査実務ガイドQ&A
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Q1-2Q1-3A土地はすべての経済活動および人間生活にとって、もっとも基礎的な土台ですが、一般の財と異なる次のような性質を持っています。不動産全般についても、このような土地としての特性を反映した性質を有しています。!土地は移動することができません。!土地は、埋立のような例外を除いて、新たに生産することができず、社会全体における土地の総供給量はあまり変動しません。しかし、土地の利用形態の転換は可能ですので、たとえば住宅地が足りなければ、原野を住宅地に開発するなど、需要に応じて供給を調整することは可能です。!土地は区分して個別に利用されますが、どの土地も隣の土地と連携して互いに関連し合っています。土地は周辺の利用状況、つまり「地域」の影響を強く受けます。!住宅地など、人間の活動基盤として土地の利用が可能となっているのは、道路・鉄道などの交通施設、上下水道・電力・ガス等の公益施設などの社会資本が存在するからです。これらの社会資本が整備されることによってはじめて土地に利用価値が生じ、経済的価値、つまり値段がつきます。!土地は、ほとんどの場合、都市計画などによって定められた利用計画に従って用途的な性質を異にします。計画的な利用が実現されることで、鉄道駅から近ければ商業地、閑静な地域であれば住宅地、道路網が整っていれば物流施設地などとして利用されるのです。A土地は埋め立てや干拓などを除いて、新たに生産することができないという本質的な特徴を持っているため、土地は一般の財のように、価格が上昇すればすぐに生産量が増加するという現象が生じにくい特徴があります。たとえば、第1節不動産調査にあたって3不動産の特徴は不動産市場の特徴は

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