Q1-1A不動産とは、民法の定義によれば「土地とその定着物」となります。民法でいう「土地の定着物」は、樹木や移動させることができない設備等を含みますが、代表的であり特に重要なものは建物です。なお、不動産登記について規定する不動産登記法では、不動産は「土地又は建物をいう」とされ、民法の定義とやや異なるなど、不動産の定義は法令や制度によって差異がみられる場合があります。第1節2第1章不動産調査の基本的事項不動産の対義語は動産であり、不動産以外の物すべてが動産ということになります。不動産は人間にとって重要な資産であるため、昔からさまざまな場面で動産と異なった取扱いがなされてきました。通常、不動産の構成要素のうち重要なものは、土地と建物です。土地と建物は衣・食・住のすべてを生み出す機能を有し、人々の活動の拠点になりますので、不動産は人間が生活する上で重要であることは明らかです。一方、不動産は人間の獲得欲・所有欲・独占欲といった感情の対象にもなり、こういった感情は不動産を合理的な視点でとらえることを阻む要因になります。どんなに不動産のことを熟知していても、愛着や思い入れがある不動産の価値を決めるのは難しいものです。人間は土地・建物との関わりによって生活に必要な物を生み出し、生命や幸福まで左右される場合があることから、不動産は人間を育む「母体」や人々が活動する「舞台」としてとらえることができますし、さまざまな欲望の対象としての「財宝」と考えることもできるでしょう。不動産とは不動産調査にあたって
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