人的資本経営と情報開示
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274リーダーの皆様にご協⼒いただき、より幅広い視点で各企業の人的資本経営の具体的施策を紹介しました。取り組みの歴史や、今後の課題等への取り組みを含め、他社にとっても今後の参考になる豊富な事例となったと思います。 第4章と第5章は、サステナビリティ対応コンサルティング部門である気候変動・サステナビリティ・サービス(CCaSS)が担当しました。第4章では、人的資本の取り組みや開示をいかに市場価値評価につなげていくかという観点で、企業の長期的価値につながる、財務諸表には表せない無形価値と、その中での人的資本の位置づけを、投資家の企業評価の観点から論じました。また、第5章では、人的資本を含む無形資産をどのように可視化し企業価値として算出するのかという問題をめぐる取り組みの最近の動向を紹介しました。 最後の第6章は、人的資本情報の利用者にとって信頼性のある情報が開示されているかという、情報開示の基礎を支える情報収集・内部統制プロセスの構築とその保証について、サステナビリティ開示推進室が解説しました。 本書の趣旨に賛同したEY各部門の専門家が意欲をもって集まり、短期間での出版を可能にするという、EYの持つ風通しのよい企業文化を改めて実感することができたのが、私にとっての大きな喜びでした。本書が読者の皆様のより良い人的資本経営や開示推進の参考となれば、大変嬉しく思います。 本書の執筆にあたり企画趣旨に賛同して快く取材に協⼒してくださった、オムロン株式会社の冨田雅彦氏、株式会社サイバーエージェントの曽山哲人氏、シスメックス株式会社の前田真吾氏、中外製薬株式会社の矢野嘉行氏、東京海上ホールディングス株式会社の鍋嶋美佳氏、豊田通商株式会社の成田賢治氏、株式会社日立製作所の中畑英信氏、三井化学株式会社の小野真吾氏(企業名50音順)に対し、心より御礼を申し上げます。またEY Japanにおいて、本執筆企画を支えて

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