人的資本経営と情報開示
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第2節第三者保証の内容と 国際的な動向  第 2 節 第三者保証の内容と国際的な動向  253The2ndsection 企業はその活動そのものが環境や社会に多大な影響を及ぼす可能性があるため、環境に対する取り組みや環境負荷に関する情報、あるいはダイバーシティへの取り組みやサプライチェーンにおける労働環境への取り組みなどを適切に開示することが、消費者、投資家、政府、地域住民などさまざまなステークホルダーから求められています。そのような要求に対して各企業は、統合報告書やサステナビリティレポートを発行し詳細な情報開示を行うことで、対応しています。 しかし、統合報告書やサステナビリティレポートによる環境情報や社会情報などのESG情報の開示においては、企業による環境への影響や企業の方針に関する虚偽の情報や、誤解を招く開示が行われる可能性があります。これは、いわゆる「グリーン・ウォッシング」(ESGに配慮しているかのように偽装すること)の問題として知られています。統合報告書やサステナビリティレポートにおいて作成・開示される情報は、企業の自主性に任されているため、企業が自社にとって都合の(1)グリーン・ウォッシングと第三者保証1.第三者保証とその必要性 およびESGスコアとの関連性

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