人的資本経営と情報開示
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2に関わるグローバル調査結果を発表しました。この調査では、企業変革に影響を与える6つの主要ドライバーを特定しています。 EYは“Building a better working world”をパーパス(存在意義)に持つ、ピープルファーストをグローバルな共通価値として活動するコンサルティングファームです。その私たちが、クライアント企業の皆さまや政府との調査や政策議論で得た知見・経験に基づき、従来の人的資本管理を超えた経営や財務と非財務を統合した視点で人的資本について解説したのが、本書です。 本書は、人的資本マネジメントについて、前半では経営の視点での後半では企業価値の訴求と開示といった観点でまとめています。したがって、人的資本マネジメントを他社の好事例から学びたい経営者はもちろんのこと、人的資本をめぐる国際的な潮流を知りたい人事担当者、さらには人的資本と企業価値を関連づけた開示を検討したいIR担当者まで、幅広い読者に参考にしていただける内容となっています。 今日の日本経済は、「失われた30年」といわれています。正規雇用の人材流動性が低い一方で、労働者の多くを占める非正規雇用者の所得は上がらず、OECD先進国の中でも平均給与のランクは下位に甘んじています。人材もコストの一環として削減してきたツケがまわってきたといえます。2021年以降、日本政府は「新しい資本主義」のスローガンの下、人材への積極的な投資を促し始めました。社会的にもジョブ型やリスキリングといった言葉が広まり、企業の価値創造活動における人材の位置づけは急速に高まっています。多くの企業でイノベーションが求められる中、その源泉となる人的資本をいかに生かすかが問われています。 本書が、読者の皆さまの今後の経営変革はもちろん、日本や世界の未来に寄与できることを願っています。 令和5年7月EY新日本有限責任監査法人EY Japan 気候変動・サステナビリティ・サービス(CCaSS) リーダー牛島 慶一

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