人的資本経営と情報開示
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第2節企業価値創造における 人的資本投資の重要性  第 2 節 企業価値創造における人的資本投資の重要性  177The2ndsection 日本において、企業の価値創造における無形資産の重要性が大きく取り上げられたのは、経済産業省によって2014年に公表された「『持続的成長への競争⼒とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』プロジェクト最終報告書」(通称「伊藤レポート」)と、続く2017年にアップデート版として公表された「価値協創ガイダンス(正式名称:価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス―ESG・非財務情報と無形資産投資)」(通称「伊藤レポート2.0」)といえるでしょう(図表4.2-1)。 「価値協創ガイダンス」は情報開示のフレームワークではなく、企業が中長期的な価値創造を目指す上でどのような取り組みが重要であるかを体系的、統合的に示したものであり、企業と投資家をつなぐ共通言語としての役割を担う枠組みです。この中では、各企業がそれぞれのビジネスモデルやビジネス環境を踏まえた上で各項目の相互依存性を考慮しつつ、どのように価値創造をするのかという「価値創造ストーリー」を示すことが期待されています。この「価値創造ストー(1)価値創造ストーリーの中の人的資本1. 企業価値向上につなげるための 人的資本投資

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