114野村:御社は「働きがいのある企業」等でも常に上位にランキングされるなど、これまでも人財にフォーカスされてきたと理解しています。また、中期経営計画である「TOP I 2030」でも、イノベーション創出を掲げ、また「I」には「イノベーション」に加えて「私」の意味も込めるなど、「人」を軸としたまさに人的資本経営を進められてきていると思います。御社にとっての人的資本経営について概略をご紹介いただけますか。矢野:人財は企業の成長・発展を生み出すかけがえのない資産・資本であり、人財がイノベーションを創出し、新しい研究や創薬をして世の中に価値を提供していくというサイクルこそが、私たちが目指している人的資本経営の考え方だと思っています。当社のミッションステートメントは、「革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献する」ことです。その中で、革新的な医薬品の創出に向けて多様なモダリティ(抗体や低分子、中分子など医薬品の物質的な種別)のシー中外製薬株式会社上席執行役員 人事・EHS推進統括矢野 嘉行 氏AdvancedCase3資本としての「人」を中心に据えた経営戦略取り組み事例3「人に投資し、人が成長し、会社が成長し、社会に還元する」循環こそが人的資本経営
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