人的資本経営と情報開示
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 取り組み事例 2  103鵜澤:曽山さんは経済産業省の「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会(人材版伊藤レポート1.0)」(2020年)や「人的資本経営の実現に向けた検討会」(2021年)など人材版伊藤レポート2.0がリリースされる前の初期段階から政策提言やフレームワークづくりの議論に参加されています。当時を思い返すと何が一番の論点でしたか。曽山:伊藤邦雄先生、企業のCHRO、機関投資家の代表など多様な関係者で議論がなされてきましたが、共通する問題認識は、経営戦略と人事戦略がつながっておらず、人材価値を企業経営にうまく活用できていない、ということだったと記憶しています。これはなぜだろうと考えると、一つの観点としては外部環境の劇的な変化に対して新しい経営戦略を立てることがいまだにできていないという経営側の問題があります。もう一つの観点としては、新し株式会社サイバーエージェント常務執行役員CHO曽山 哲人 氏AdvancedCase2多くの企業が抱える悩み経営戦略と人事戦略がつながっていないのは劇的な環境変化への認識不足が原因取り組み事例2人的資本はサステナブルな成長の源泉。簡単に他社が模倣できないからこそ企業経営の差別化要因となりうる

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