人的資本経営と情報開示
18/46

50若狭:御社は他社に先駆けて人的資本の国際基準であるISO30414の認証を取得されました。御社が標榜されている「人の豊通」、“Peo-ple Company Toyotsu”を多方面にアピールされ、人的資本経営を推進する企業としてその存在感を強く示されたと思います。成田さんは、一連の取り組みを牽引してこられましたが、そもそものお話として、「人的資本経営」に対して、どのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせいただけますでしょうか。成田:人事部に来る前の経営企画部では、全社KPIの設計や管理の仕事にも携わっていました。当時は「人的資本経営」というキーワードは頭にありませんでしたが、社員の対外的なビジネス活動を測る物差しとして“ヒトの効率性”を軸としたKPIが有効ではないかとずっと考えていました。よく“ヒト・モノ・カネ”が競争優位の源泉といわれますが、そのうちのヒトに着目したときに、ヒトへ投資して効率的に成果を上げていけるようなKPIを設定し、その達成に向けた経営サイクルを回すことが企業価値を高める上で重要なのではないか、というものです。若狭:“ヒトの効率性”のKPIというと、ISO30414の指標でいう「人的成田:結果的に最適解としてたどり着いたのは人的資本RoIですが、それに至るまでにさまざまなKPIを独自に考えていました。人事部資本RoI」が思い浮かびます。Interview自社の立ち位置を把握し改善に向けた投資を繰り返すことで人的資本、さらに企業価値を向上させる豊田通商 株式会社人事部部長 成田 賢治 氏

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る