人的資本経営と情報開示
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最も開示率の低いコンプライアンス/労働慣行でも7割近くの企業が定量情報を開示しており欧州企業の全体的な開示率は高い大項目別の情報開示率出所:Refinitivデータを活用し、EY Japanが作成34100%80%60%97%40%70%20%0%人材育成エンゲージメント90%100%流動性ダイバーシティ77%67%健康・安全コンプライアンス・労働慣行図表2.1-9 欧州上位30社の情報開示率(2021年) 縦軸に欧州上位企業30社の開示率、横軸に7フレーム開示要求率でマッピングすると面白い傾向が見て取れます(図表2.1-10)。 右上の象限、つまり30社の過半が開示済みで、主要なフレームワークが開示を推奨する領域は、ある意味で「デファクトスタンダード」といえるでしょう。研修時間、エンゲージメント、離職率などは開示するのが当然の時代といえます。 他方で右下の象限は30社の過半がまだ開示できていないが、主要なフレームワークが開示を推奨する領域なので、今後さらなる開示が進む可能性が高い項目といえます。研修費用、自発的離職率、男女間の給与格差などが挙げられますが、このような項目は国内本社単体でデータを取得するのは容易であっても、グローバル連結で取得するのは難しそうです。それには多くの企業がさらなるデータプラットフォームの整備に労⼒を投入する必要があるでしょう。9.今後さらに情報開示が 求められる項目

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