税理士が知っておきたい登記手続き
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筆者は商業登記を専門分野としつつ、不動産登記・成年後見など広く司法書士業務を手がけています。このような業務の関係上、税理士事務所と連携を取り仕事を進める機会が多くあります。その中で、①税理士事務所から受ける質問には一定のパターンがあるということ、②税理士事務所の職員からすると司法書士に直接質問をすることはハードルが高いのではないか、ということに気づきました。この気づきをなんらかの形で発表し、司法書士業務に関する税理士事務所の疑問を解決したいと考えていたところ、清文社より執筆のお声をかけていただくことができました。清文社とは『事業承継・相続対策に役立つ家族信託の活用事例』(共著・2016年10月刊)を執筆して以来のご縁です。本書は、「序章本書の使い方」に記載したように、税理士事務所の全ての疑問を解決することを目的にしていません。中小企業の経営者や富裕者層の相談の起点となる税理士が、司法書士に業務を引きつなぐ前に、まずは初動の対応として、大まかな必要書類や司法書士報酬・実費を顧客に伝えることを主眼として作成しました。本書を有効に活用するために、是非ともこの序章を一読してから読み進めていただきたいと思います。序章を読み終わった後に適宜必要な章の必要な個所を読んでいただければ、本書の目的は十分に果たされることでしょう。このように、本書は税理士と税理士事務所の職員を読者対象としています。また加えて、登記業務への理解を深めたい金融機関の職員や不動産業者の方々の日常の疑問も解決できると考えています。最後に、通常の業務に追われてなかなか執筆が進まない中、私に付き合ってくださった清文社の方々には多大なる感謝をしています。はじめに(初版)

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