(百万円)(件数)2021年2020年2019年2018年2017年2016年2015年2014年2013年2012年2011年●3 日本企業のベンチャー企業の取得に伴う無形資産の識別・計上345Column ベンチャー企業の価値評価における留意点 昨今、ベンチャー企業への投資が増えている。日系企業によるベンチャー企業への投資の推移を調べてみると、COVID-19の影響で2020年は微減となっているものの、2011年から概ね右肩上がりである。とりわけ海外所在のベンチャー企業への投資が著しく増加しており、その1件あたりの平均投資額も2011年には1億円程度であったが、2021年には10億円強となっている。〈日系企業によるベンチャー企業への投資推移〉出所:Pitchbook Dataの情報をもとにDTFA分析 このように、ベンチャー企業投資は、ある種の「ブーム」の様相を呈している。ベンチャー企業は、スタートアップ企業とも呼ばれるが、その価値評価は、業歴が長い、いわゆる成熟企業の価値評価とは異なる固有の論点がある。ここでは、ベンチャー企業の価値評価をDCF法で行う場合の主な論点について記載したい。Pre-moneyか?Post-moneyか? ベンチャー企業の資金調達(ラウンド)で目にする用語としてPre-money valuation / Post money valuationがある。Pre-moneyとPost moneyの違いは、そのラウンドで調達する資金(new money)を加味した価値かいなかであり、すなわちPre-money+New money=Post moneyという関係にある。 ベンチャー企業の事業計画では、調達する資金をもとに新たに設備投資/研6,0005,0004,0003,0002,0001,000 -国内向け投資平均投資額(国内向け投資)海外向け投資平均投資額(海外向け投資)-1,2001,000800600400200
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