●Ⅴ 無形資産評価における論点▲前提条件 買収前製品簿価 想定される売価 想定される販売費 ▲製品への割当価額の決定 想定される売価 売却に要する費用(想定される販売費) 販売活動に対する合理的な利益相当額(販売費の20%と想定) −4 (20×20%) 製品への割当価額 322 ⑶ 商品および原材料 直近の再調達原価* * ⑶の原材料はコスト・アプローチによる評価として広く見られるものであるが、⑴の製品および商品と⑵の仕掛品は見慣れない評価体系であるものと思われる。結論からいうと、製品および商品と仕掛品の公正価値(割当額)は、被取得企業の保有する棚卸資産に関連して、取得企業と売却企業での貢献度に応じて利益按分をしているものであり、買収以前に行われた活動に対する貢献利益が棚卸資産に上乗せされることとなる。各活動における貢献度は定量要因(コスト)も1つの参考にはなるが、各活動の定性要因も考慮して決定されるべきものである。設例で示すと、買収により製品を取得した場合の割当価額は、以下のとおり決定されることになる。 本設例では、買収前製品簿価の70に対して、買収によって割り当てられる価額は76にステップアップすることとなる。当然であるが、この簿価の上昇により、売却時(多くの場合には買収直後の期)利益は減少し、利益率も次ページのとおり悪化することになる。売上総利益率は30%から24%に、また営業利益率は10%から4%に下落している。7010020100−2076
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