Ⅰ4●Ⅰ 企業結合会計076*1 「会計基準のコンバージェンスの加速化に向けた取組みへの合意」(2007年8月8日(ASBJとIASB)) わが国における企業結合会計は、2003年10月に「企業結合に係る会計基準」(以下「企業結合会計基準」という)が公表されることにより初めて整備された(適用開始は2006年4月から)。それ以前は、旧商法のいわゆる“時価以下主義”の規定を拠り所として、選択的な資産の評価替えが広範に行われていたのが実態であった。 2007年8月の「東京合意」*1において、ASBJ(企業会計基準委員会)がわが国の会計基準と国際財務報告基準とのコンバージェンスを、いくつかの段階を踏まえて進めていくことをIASBと合意するなど、2000年代から日本基準と国際的な会計基準とのコンバージェンスが積極的に推し進められている。この中で企業結合会計基準関連は2008年までにコンバージェンスを達成する項目(ステップ1)と2011年までに達成する項目(ステップ2)とが区分されており、前者は2008年12月に完了し2010年4月1日以降開始する事業年度より強制適用となっている。一方ステップ2については、2011年に国際財務報告基準導入に対する慎重意見が優勢となったこともあり、当初予定より2年遅れの2013年9月に改正が公表されるに至った。この改正は2015年4月1日以降開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用されている。 2013年におけるステップ2の改正により我が国の企業結合に関する会計基準は国際的な会計基準と多くの点についてコンバージェンスが計られているが、依然としていくつか大きな差異が残っている。そのもっわが国における企業結合会計と無形資産の認識
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