ファミリービジネスは日本を救う
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■年以上にわたった執筆プロジェクトが完成しました。この共同研究が始まったきっかけは、何かの折に大阪弁護士会の今川忠会長(当時)に「ファミリービジネスを取り上げたい」と話したところ、「ファミリービジネスの一生に『横串をさすように』して下さい」と言われたことでした。これは私にはとても難しい課題で、いろいろ考えた末、「巻頭言」にもあるようにファミリービジネスの底に脈々と流れるもの、例としてはバロック音楽のパッサカリアのようなスタイル―さまざまなメロディーが現われるが、その下では同じ形の通奏低音が繰り返される―に着目することに思い至りました。つまり、ファミリーの理念、ファミリーとビジネスの調和、外部者との関わり方など普遍性あるテーマが繰り返し継続して現われるということです。今川先生、実に的確なアドバイスを本当にありがとうございました。次に、材料をどうするか。その頃たまたま見かけたノースウェスタン大学John.L.Ward教授の名前で検索し、『FamilyBusinessGovernance』を購入しました。幸運なことにこれが滅法面白い。そこで■■■■年■月の連休、コロナ禍で外出を控えている間に全文の仮訳を作り、研究会で報告しました。するとメンバーから賛同を得られたのは良かったのですが、同時に質問・異論・反論の嵐。それに答えるために次々とアメリカの書籍を購入して紹介し、法制度や文化・慣行が異なる中で日本への当てはめができるのか等、延々と議論しました。こうした激しい応酬の結果、ようやくまとまったのが本書です。私個人としても、久しぶりに何冊もの外国文献を読み、大変勉強になりました。読者の皆様におかれましても、本書の内容にとどまらず引用した文献等広く渉猟され、ファミリービジネスの発展に役立てていただければこれに勝る喜びはありません。最後に、この共同作業の母体となる大阪弁護士会中小企業法律センターと日本公認会計士協会近畿会とのご縁を作って下さった弁護士の比嘉廉丈先生と安若多加志先生に感謝の気持ちを述べさせていただき、筆を擱きます。■■■■年■月公認会計士安原徹161あとがき

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