ファミリービジネスは日本を救う
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新型コロナウイルス感染症やウクライナ戦争など不確実性が増す現代において、日本経済の重要な担い手である中小企業を取り巻く環境は、日々激変しております。このような中、中小企業の大半を占めるファミリービジネスが、世界の荒波に負けずに生き残り、繫栄をつづけ、次世代へ経営をつなぎ、さらに大きく成長・発展していくために、我々士業が為すべきことは何であろうか、このような使命感から、大阪弁護士会と日本公認会計士協会近畿会は「ファミリービジネス研究会」を立ち上げ、共同研究を続けてきました。本書は、その研究成果を取りまとめたものです。ファミリービジネスとは、ファミリーによって所有され、ファミリーによって経営されている企業を意味します。本書では、①ファミリービジネスのライフサイクルを時系列で捉え、創業・発展時のガバナンス、次世代への事業承継、引退した経営者の資産管理、ファミリーへの相続といった各ステージにおける課題と解決手法を示したこと、②弁護士と公認会計士という異なる分野の専門家が参集したことを反映し、法的な論点、会計・税務的な論点、経営上の論点などを多角的に検討したこと、③ファミリービジネスの実例を取り上げ、各論点と結びつけて実例と理論の整理を図ったこと等、実務的であるとともに類書にない内容を含んでいます。なお、本書の内容は、あくまでも上記の研究会の研究報告であり、意見にかかる部分については執筆に当たったメンバーの個人的な見解であることをあらかじめお断りしておきます。この研究会が始まって■年あまり、その間にも多くのファミリービジネスが事業継続の岐路に立ち、厳しい選択を行う姿を目の当たりにしてまいりました。「ファミリービジネスは日本を救う」との信念のもとに執筆された本書が、企業経営者のみならず、弁護士、公認会計士などの専門士業をはじめ、様々な立場からファミリービジネスに関心を持たれる方々にとって、課題解決の一助になれば、関係者一同これに勝る喜びはありません。■■■■年■月大阪弁護士会会長福田健次日本公認会計士協会近畿会会長後藤紳太郎発刊にあたって

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