ファミリービジネスは日本を救う
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当社は和風加工食品の製造販売を営む中堅企業です。今から■■■年を■る頃、現社長の祖父が勤めていた卸問屋から暖簾分けを受けて創業、昭和■■年代のインスタント食品ブームで急成長しました。同じころには東京に営業所を開設して販売網を拡充、全国区の食材メーカーとなって現在に至ります。会社の事業承継に関して、社長にインタビューする機会をいただきました。問会社の歴史を教えてほしい。答当社は私で四代目。私の祖父が大正時代に個人商店として創業した。その後、会社組織に変えたが、その際、番頭格のAさんと祖父が■■%ずつの出資とした。祖父の次の代は、私の父がまだ若手だったため、Aさんが社長、父は代表権を持つ専務となった。Aさんの後、三代目として私の父が社長に就任した。その次の代が四代目の私ということになる。実はAさんのご子息も会社に入社していた。そこでAさんのご子息と父との間で後継をめぐってトラブルになった。結局、この方の株式を買い取って過半数を獲得することができた。父の代は株式上場に向けて準備を進めていた。しかし株主の短期的な目線を気にしなければならないのは困るし、資金調達も特に必要ではなかった。結果的には、人材の問題、株式コスト等を考え、また、短期的利益志向が馴染めないのと資金調達が急務でないので今は株式上場は考えていない。問近時、事業承継というとM&Aが話題になるが、当社は他社との合併等は考えなかったのか。答ファンドからもM&A会社からもしょっちゅう連絡がある。しかしファンドのように会社をモノのように扱うところは好きではない。大手の1341.ケーススタディ〜老舗食材加工会社の事業承継

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