1わが国における資産の流動化■「資産の流動化」とはSPC法によれば特定目的会社による証券発行による資産の取得、運用と分配等の一連の行為と定義されるが、これに限らず資産から生じるキャッシュ・フローを各種ヴィークルを用いて切り離し、これを裏付けとして資金調達を行う行為全般を指すことが多く、本書においてもそのように定義することとする。類似の用語である「証券化(securitization)」はLewisRanieri(元ソロモンブラザーズの役員でMBS普及の功労者として知られる)の造語とされており、厳密な定義はなされていないが、証券の発行有無により流動化・証券化の用語を区分するとの見解もある。わが国における資産流動化■の系譜は、古くは昭和金融恐慌時の抵当証券法(昭和■(■■■■)年施行)制定による抵当権付き債権の流動化まで■る。その後、■■■■年代には住宅ローン債権信託や住宅抵当証書スキームなども出現したが、こうした証券はオリジネータの信用リスクから切り離されておらず、流通のためのインフラが整備されていなかったこともあり、隆盛には至らなかった。しかし、■■■■年代以降、米国での証券化の進展状況が広く知られるようになったことから、わが国でも資産流動化に対する関心が高まり、オフショアSPCを利用した特定債券法等の証券化スキームが試みられるようになった。■■■■年代には、バブル崩壊後の不良債権や、担保不動産の整理の手段として資産流動化の手法に注目が集まり、平成■■年に施行された「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」が平成■■年に全面的な見直しを経て「資産の流動化第1節SPCのメリットと流動化スキームのチェックリスト3第1節SPCのメリットと流動化スキームのチェックリスト
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