工場のラインには数名の外国人従業員がいます。テレワークが進み、彼らの就労を支援する担当社員と直接話をする機会が減ったこともあり、定期健診の必要性を理解せず、受診しないままの者がいることがわかりました。人事総務部が英語で翻訳した「健診のお知らせ」を配布し、必ず受診するようにフォローしていますが、英語が母国語でない従業員に健診の重要性が確実に伝わっていないようです。定期健診の結果においても、通勤・外出の機会が減ったことによる運動不足が続いたことが原因で、特定保健指導に該当する者が前年比およそ1.5倍となり、全体的に各数値も悪化していることがわかりました。健診結果で要医療・要精密検査となった場合は産業医から通知してもらっていますが、再受診したかどうかまでは確認はしていない状況です。創業当初からラジオ体操を毎朝に行っていますが、一部の従業員しか参加しない傾向にあり、形式的なものになっています。会長が出勤する時は皆と一緒にラジオ体操をするので、参加率が高いようです。また、以前より中高齢の従業員が工場内の段差等で転倒する、機械を清掃中に足を滑らせて骨折する等の事故が年に数回発生しています。慢性的な腰痛、肩こり、膝の痛みを訴える社員は年齢層に関わらず多い状況です。B社はこのような状況を踏まえ、テレワークと出勤を両立しつつ、職場のコミュニケーションの促進と社員の健康を守るという課題にどのように取り組んでいくか悩んでいます。B社の健康課題を以下のとおり整理し、課題に対する対策を検討のうえ実施することとしました。第6章 健康経営取り組み事例3243 アプローチと効果
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