成功する 健康経営実践ガイド
21/26

第1節 産業医から見た健康経営を進める1 手段の目的化を防ぐためにここからは健康経営に関与し、成功に導くことのできる専門家について解説します。健康経営では特に課題を抽出したり、取り組みを評価・改善する場合に、健康づくりの視点・人事労務管理の視点・業績向上等の視点でアドバイスを受けることが効果的です。そこで産業医・中小企業診断士・社会保険労務士の視点から、健康経営を成功に導くポイントについて解説します。日頃から中小企業の健康経営を支援している嘱託産業医の立場から、健康経営を進める上でのポイントを4点解説いたします。さまざまな企業で健康経営を進める過程で、手段が目的化してしまうことをこれまでしばしば経験してきました。「健康経営優良法人」「ブライト500」を目指すことは健康経営を進める上で有効な手段であり、筆者も顧客企業に取得を推奨することは少なくありません。しかしながら、いつの間にか手段が目的化してしまい、どうやったら認証が取れるかばかりを考えてしまう状況に企業担当者が陥ることがあります。せっかくの取り組みですが、こうなると健康経営の本質を見失ってしまったり、認証取得後の次の活動につながりにくかったりと、少しもったいないことになってしまうかもしれません。このような状況を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか?この課題に対しては、企業として健康経営に対する方針・目標をしっかりと持つことが極めて重要といえるでしょう。メンタルヘルス対策を例にとりますと、「評価項目にあるからストレスチェックを導入する」のと、「活き活第1節 産業医から見た健康経営を進める上でのポイント281上でのポイント

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る