成功する 健康経営実践ガイド
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第1節 健康経営とは1 はじめに第1節 健康経営とは3令和2年から続いているコロナ禍においてどのような工夫をしながら事業運営を行っていますか? 筆者の関係する企業の皆様は、企業規模に関係なくテレワークやオンライン会議等のさまざまな工夫をしながら業務を行っている状況です。「今までと同じような経営の舵取り業務をしていれば安泰」であるという時代は終焉を迎え、リスタートしなければ生き残れないと感じている経営者も少なくありません。4つの経営資源ともいえる「ヒト・モノ・カネ・情報」のうちの「モノ・カネ・情報」は、「ヒト」が活用することで資源となる関係上、もっとも重要な経営資源と考えられています。また、優秀な人材を確保することは、企業の成長や事業継続に大きく関わることとなり、「ヒト」を大切に思うことは企業経営に重要な要素です。加えて、いかに優秀な人材であっても「健康(持病があってもコントロールできている場合も含む)」でなければイキイキと効率よく仕事ができませんし、コロナの感染拡大や濃厚接触者の増加が通常の事業にも大きな影響を与えたことを身をもって経験していることだと推測します。そこで、健康経営の観点からいう「健康」について考えてみましょう。図表1-1のとおり、筆者が考える健康経営の健康には、「人の健康」と「企業の健康」の2つがあります。まずは「人の健康」についてですが、「病気ではない」とか「虚弱ではない」だけではなく、体力もあり適切に教育も受けている、精神的に安定している、豊かな人間関係を構築できている等の「身体的健康・精神的健康・社会的健康」の3つがそろって、はじめて健康と定義されます。一方、「企業の健康」についてですが、経営資源をフル活

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