組織再編の最適スキーム 法務・会計・税務
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社分割の場合には親会社において損益は生じません。この場合、親会社において、受け入れた資産負債の帳簿価額と保有していた子会社株式の帳簿価額の全部(合併の場合)又は一部(会社分割の場合)との差額が株式消滅損益となります。なお、株式消滅損の発生する合併及び会社分割においては簡易合併及び簡易分割はできません(会法796②但書)。なお、株式消滅損が生じるような状況下においては、事前(直前の決算や四半期決算)に子会社株式の減損を行っていると考えられ、その場合には株式消滅損は生じないことになります。これに対して、株式以外の対価が発行されない子会社同士の合併や会ですので、グループ内組織再編により親会社の個別財務諸表上損益へのインパクトを与えたくない場合は、親子の関係ではなく子会社同士の関係である必要があります。 非支配株主が存在する場合の非支配株主持分相当に関しては、外部からの取得となりますので、親会社としては、取得した非支配株主持分と支払った対価(時価)との差額をその他資本剰余金として処理します(企業結合適用指針206(2)①イ)。当該差額は、のれんで処理するわけではない点に注意が必要です。216第3章 目的からみる組織再編スキーム存続会社合併消滅会社【参考】 非支配株主が存在する場合に親会社を存続会社、子会社を消滅会社とする合併を行う場合承継会社支配分割会社支配分割(1) 親会社を存続会社・子会社を消滅会社とする合併及び 親会社を承継会社・子会社を分割会社とする会社分割

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