組織再編の最適スキーム 法務・会計・税務
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1-3総論−会計キーワード  帳簿価額での取引、時価での取引、 単体決算と連結決算での処理の方法の違いかを検討することが実務上重要となります。また、単体決算と連結決算で取扱いが異なることがありますので、単体決算と連結決算での処理の方法の違いを意識してスキームを考案する必要があります。実務家が組織再編スキームを立案する際、会計処理方法も重要な要素となります。会計では、実行する組織再編が財務諸表上どのように表現されるかが問題となります。組織再編を行うと複雑な会計処理が必要となるため、利益や損失が計上されるのか、また、どのような開示が必要となるのかを考慮しながらスキームを立案しなければなりません。具体的に会計を検討する際に重要となるのが、会社や株主等組織再編当事者において、組織再編の前後で投資が継続しているか否かの検討になります。一方、投資が清算された、すなわち組織再編以前と実態が異なると考えられる取引の場合には、時価での取引を行います。この場合、引き渡し元では交換損益(譲渡損益)が計上され、受け入れる側では、時価で受け入れます。個々の要件の検討は複雑ですが、まずは投資が清算されているのか否10第1章 総論投資の継続と清算例えばグループ内での組織再編のように、全体としてみると以前の投資が継続されているとみられるような取引、すなわち組織再編以前と実態が異ならない取引の場合には、帳簿価額での取引となるため、基本的には損益が計上されません。

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