2022年に本書の10度目の改訂をしてから2年たちました。この2年間に、大幅な税法の改正がありました。また、教育や実務の現場で本書を活用している人たちからのさまざまな問いかけがありました。今回の改訂では、こうした改正や問いかけにもできるだけ対応するように努めました。 2004年4月から法科大学院(ロースクール)での専門職育成のための教育がはじまりました。新たに司法試験選択科目に租税法が加わりました。以前にも増して、税法関連のさまざまな書物が出版されてきています。しかし、税法の基礎知識が豊かでない人たちには、難しすぎるものが多い感じがします。 本書は、税法の基礎知識や税法のベーシックな仕組みを、できるだけこなれた言葉と図で解説することを基本方針につくられています。税の実務にたずさわっている人たちが執筆陣の中核をなしているのはこのためです。また、法令・通達などの条文を入れ、重要な裁決や裁判例、さらにはコラムやアドバンス文献などを盛り込んでいます。税法をもう少し掘り下げて勉強したいと思う人たちのことを考えてのことです。専門職コースでの入門書としても本書をおすすめします。 一般の人たち、大学学部、大学院の研究コースや専門職コースなどで学ぶ人たちなどが本書を親しめるように、たゆまない改善の努力が求められるところです。幅広い読者の方々からの有益なご指摘をいただいて、今後、読み手の目線で本書をさらに充実した内容にしたいと考えています。 このたび清文社のご好意により第12版を出すことができました。厚くお礼を申し上げます。 2024年4月石村 耕治第12版の発刊にあたって
元のページ ../index.html#3