現代税法入門塾
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目 的518所得控除の種類設けられている仕組みです。 所得税法は、全部で15種類の所得控除を定めています(所税法72〜86)。それらは、大きく分けると、①課税最低限(☛Column)を保障する目的や②税金を負担する力(担税力)を考慮する目的のほか、③個人的事情を考慮する目的や④社会政策の目的で設けられています*1。① 課税最低限の保障② 担税力の縮減の考慮③ 個人的事情の考慮④ 社会政策目的配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除雑損控除、医療費控除障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除*2、寄附金控除◎物的控除と人的控除という分け方 15種類の所得控除は、その性格に着目して大きく「人的控除」と「物的控除」といった分け方もできます。 「人的控除」とは、納税者本人またはその家族(親族)の個人的な要素を考慮して設けられている所得控除です。例えば、親や子供を養っている人には「扶養控除」が受けられます(☛3.3.2)。また、本人または養っている配偶者、親族が、心を病んでいる、あるいは体が不自由な場合には、「障害者控除」が受けられます(☛3.3.2)。 一方、「物的控除」とは、家族の生活用の財産への損害や一定の支出を補うねらいで設けられている所得控除です。例えば、本人または養っている配偶者、親族のために多額に医療費を支払った場合には、「医療費控除」が受けられます(☛3.3.3)。また、台風や火災などで住宅が損害を受けた場合には、「雑損控除」が受けられます(☛3.3.3)。 15種類の所得控除を分類してみると、次のとおりです*3。

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