370 相続税や贈与税は、個人から個人へお金や不動産などの財産が無償で移転した場合に、原則として課税されます。相続税は、財産が人の死亡により移転されたときに問題となります。一方、贈与税は、財産が、人の生存中に移転されたときに問題となります。相続税も贈与税もともに相続税法に定めがあり、ともに財産を取得した者が納税義務を負います。2.3 相続・贈与の税金:相続税法のあらましポイント 個人と個人の間で、お金や不動産など無償での財産移転があった場合、それが生きているときに行われたときには、贈与税の問題となります。一方、財産の移転が死亡したときに行われたときには、相続税が問題になります。また、贈与税も相続税も、ともに相続税法に規定され、財産をもらった者が納税義務者として申告納付することになっています。2.3.1相続税法とはだれに、どう適用されるのか◎財産移転税/相続税制度のあり方 相続税、贈与税、さらには遺産税といった言葉を耳にしたことのある人も多いと思います。学問的に、これらの税金は一括して「財産移転税(wealth transfer tax)」ともよばれます。わが国をはじめとして多くの諸国が、財産移転税を、遺産税ないし相続税、贈与税の形で課しています。財産移転税には、2つの大きな課題があります。1つは、①遺産税制度か、②遺産取得税(遺産取得課税)制度かの選択の課題です。もう1つは、財産移転税における生前贈与への課税取扱いの課題です。
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