徹底解説 課税上のグレーゾーン
16/20

〇法人税法第二十二条1~2(略)3 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの〇東京高裁昭和63年11月28日判決(抄)ところで、右にいう損金とは、一般的には、法人の純資産の減少を来すべき損失を指すものと解されており、そして、同法22条3項各号に規定されている原価、費用及び損失がこれに当たることは明らかであるが、純資産の減少を来す損失の総てが当然に法人の所得金額の計算上、その損金の額に算入されるものと解すべきではない。しかも、一般に、同法22条3項一号の原価とは、その事業年度の益金の額に算入された収益に対応する原価をいい、同項二号の費用とは、収益と個別的に対応させることの困難ないわば期間費用であって、事業活動と直接関連性を有し、事業遂行上必要な費用をいい、同項三号の損失とは、火災、風水害、盗難など、企業の通常の活動と毎関係に発生する臨時的ないし予測困難な外的要因から生ずる純資産の減少を来す損失をいうものと解されている。42

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る