平成14年1月 法人の税務調査は、 ⑴ 売上除外、架空仕入、架空経費、架空人件費、棚卸除外等の不正計算はないか、 ⑵ 税務上誤りやすい勘定科目について、税法に従って正しく処理がなされているかといった点を中心に行われます。 ⑴の不正計算がないかという点については、もともと法人が不正行為を行っているわけですから対策のしようがありませんが、⑵の各勘定科目について正しい処理がなされているかという点については、事前にある程度対策をたてることができます。 税務調査は、会社にとって、色々と質問はされる、時間はとられる、気は落ちつかないなどあまり楽しいものではなく、「税務調査ほどいやなものはない。」というような声を会社の代表者や経理担当の人からよく聞かされます。 しかし、事前に、調査官はどのような点を問題にし、どのような点を注意すればよいかという対策が少しでもわかっていれば、その分、調査の際も少しは気が楽になるかもしれません。 そこで、本書では、税務調査において実際によく問題になる点や、誤りやすい点につき、主要勘定科目ごとに、税務調査においての調査官と会社側のやりとりという事例形式で、注意すべき点及びその対策を解説することにしました。 本書が、税務調査に対応される方々のために少しでもお役にたてば幸いです。 なお、本書は、納税協会連合会発行の「納税月報」誌に連載中(平成10年12月号~)である「法人税の税務調査対策」を平成13年10月号まででいったんとりまとめ、これに加筆補正したものです。 最後に、本書の出版にあたってお世話をいただいた清文社編集部の皆様に厚くお礼を申し上げます。岸田 光正 はじめに(初版)
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