事例で学ぶ暗号資産・NFT・メタバースの会計税務Q&A70選
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リティ、著作権の管理、証明など社会のさまざまな分野に広がっています。これらは、いずれも中央集権的な管理者を置かず、取引や権利等の真実性、唯一性を改ざんが非常に困難なプラットホーム上で可能にしているブロックチェーン技術の特性を生かしたものです。そしてこれらの証明は、ブロックチェーン上で発行されるトークンを介して行われます。 ブロックチェーン技術を活用する際、ブロックチェーン上でトークンが発行、管理され、何らかの権利等を証票する機能を有します。トークンの定義には、狭義のものから広義のものまで定まったものがありませんが、トークンを広義に捉えると暗号資産もトークンの一種でその他、さまざまな役割のトークンが活用されています。2020年ごろから急速な成長を遂げたNFT(Non-Fungible Token)もトークンの一種であり、仮想現実であるメタバース内での参加者がイベントへの参加や自らの作品で個展と企画するなどさまざまな活動を可能にしているのもメタバースで流通するトークンがあるからです。矢野経済研究所の調査では、ブロックチェーンを活用したサービス市場は、2022年の266,700百万円から2025年には、724,760百万円まで拡大することが見込まれています。 暗号資産を介した資金調達方法であるICOについては、一時の過熱ぶりから、その後、不正なICOプロジェクトが横行した結果、各国が規制強化に動き、現在では世界的に見てもほとんど実施されることは無くなりました。日本では実際にICOが行われた実績は、数件に留まっており、実態のないブームに終わってしまいましたが、現在、新たな動きとして金融商品取引法による法規制と合わせて、業界団体である一般社団法人日本STO協会による自主規制のもと、ICOに代わるトークンによる新たな資金調達方法としてセキュリティートークンを介した資金調達方法、STO(Security Token O■ering)を健全に育成する動きがあります。

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