252Q 2組合・パートナーシップの税務第5章任意組合契約を通じて不動産に 投資をする場合の損失の認識私(居住者たる個人)は不動産賃貸業を行う任意組合の組合員として出資を行っています。今年度多額の修繕費等が発生したことから組合決算が損失となり、損失の分配がありますが、この損失は私の他の所得(給与所得等)と損益通算することができますか。 なお、組合の業務執行は組合員であるA社が行っており、私を含め個人の組合員は組合の業務執行には関与せず、A社に業務執行の全部を委任しています。本件は不動産所得から生じる損失であり、また個人組合員は特定組合員に該当すると考えられますので、組合損失規制の対象となり、本件の損失の分配を個人組合員の他の所得と損益通算することはできません。また、他の黒字の不動産所得と損益通算することもできません。1 組合損失の損益通算等の特例 Q66の通り、日本の税務上、任意組合等において営まれる事業から生ずる利益や損失については、原則として分配割合に応じて、各組合員に直接帰属します。したがって、税務上は原則として、損失も各組合員に分配されることとなります。しかしながら、任意組合の組合員で特定組合員に該当する個人が、組合事業から生ずる不動産所得を有する場合において、その年分の不動産所得の金額の計算上、損失の金額があるときは、当該損失金額は、生じなかったものとみなされます。 「特定組合員」とは、組合契約に係る組合員のうち組合事業に係る重要な財産の処分もしくは譲受け又は組合事業に係る多額の借財に関する業務Q 68
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