95第3章 課税標準算)の適用の有無に焦点を当てることとし前提条件を簡略化して説明します。このため、本問通貨オプションは法人税法第61条の8第2項に規定する先物外国為替等に該当するものとします。 350億円は外貨建有価証券に係る期末時換算差損とのことですが、当該外貨建社債は、法人税法第61条の8第2項に規定する先物外国為替契約等(本オプション取引)により、有効な繰延ヘッジの対象となっていますので、法人税法施行令第122条の2第1項第二号により、同令第122条の3(外国為替の売買相場が著しく変動した場合の外貨建資産等の期末時換算)に規定する「外貨建資産等」から除かれ、同令による期末時換算は行うことができません。また、期末時換算額は先物外国為替契約等(本件オプション取引)により確定させた円換算額となります(法令122①(先物外国為替契約により発生時の外国通貨の円換算額を確定させた外貨建資産・負債の換算等))。よって期末時換算差損は算出されませんので、350億円の損金計上はできません。 デリバティブ取引(オプション取引)については、原則として期末におけるみなし決済損益を計上することとされており(法法61の5①)、本問はこの規定に関係しますので、みなし規定をめぐる問題として取り上げました。 外貨建社債(外貨建有価証券)の期末外国為替差損の処理については、外国為替の売買相場が著しく変動した場合の外貨建資産等の金額の円換算額への換算等に関して、法人税法第61条の9第4項は、必要な事項は政令で定めるとしています。委任を受けて法人税法施行令第122条の3では「当該事業年度においてその外貨建資産等に係る外国為替の売買相場が著解 説(1)期末外国為替差損の処理
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