事例からみる重加算税の研究
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 平成12年6月に本書の初版を出してから、既に22年が経過した。今回の第7版は、前回の第6版(平成30年3月発刊)の出版から令和4年7月までの期間の法律・通達等の改正、判例・公表裁決の追加、そして税務統計資料の見直し等をしている。 なお、令和2年度から同4年度までの間において、重加算税を含めて、加算税については、次の法律改正が行われた。 ① 国外財産調書制度と加算税の軽減・加重・罰則(令和2年度税制改正) ② 電磁的記録に係る重加算税の規定(令和3年度税制改正) ③ 隠蔽・仮装と「必要経費の否認」「損金不算入」(令和4年度税制改正) これらの税制改正によって、重加算税を含む他の加算税の取扱いが煩雑になったことは間違いないであろう。 また、前回に続き、平成29年から令和3年に公表された裁決の中で、重加算税に係るものを抽出し、その「隠蔽・仮装」に係る判断基準を検討分析した。この公表された裁決では、課税庁が行った重加算税の賦課決定処分が多く取り消されている。 その他に、重加算税に係る国税庁の税務統計資料データも刷新した。令和2年、同3年は、コロナ禍で、税務調査の件数が大幅に減少している。その反面、悪質な納税者の割合が高くなっている。 なお、平成28年度税制改正において、重加算税における「隠ぺい」というひらがなの表記が「隠蔽」という漢字に改正された。したがって、本書においても、判例・裁決等の原文はそのままとし、その他のものについては、「隠蔽」に変更している。【第7版】発刊にあたって

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