相続・事業承継に役立つ生命保険活用術
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2和)については、1年早い平成26年1月1日が適用開始日)。個人における「相続」問題(1)「相続」問題の本質個人における「相続」問題の本質は「相続税」にあるのではなく、「遺産分割」にあると確信しています。税理士としての立場では「相続税」と回答したくなるところですが、決してそうではありません。「相続税」は「遺産分割」を終えた後に訪れるもの、つまり、相続の現場において最も重視されるべきは「相続税」ではないのです。(2)国税庁発表データから読み解く本質国税庁発表の「平成30年度分の相続税の申告事績の概要」によれば、被相続人数1,362,470人に対して、相続税の申告書の提出に係る被相続人数は116,341人と課税割合8.5%というデータです。裏を返せば、91.5%は相続税申告とは無関係という意味になります。相続は誰しも発生します。世のほとんどの相続には相続税は無関係なのです。にもかかわらず、相続税を仮想敵国として、相続税の節税をメインとした生前対策を推し進める最近の風潮は律せられるべきと考えています。仮に、ある70歳男性が生前に相続税試算をした結果、相続税が500万円だったとしましょう。年金受給も開始していますが、何を最初に考えるでしょうか。相続税対策でしょうか。あなたが当事者となって真剣に考えてみてください。おそらく「相続税」とは回答しないと思います。何よりも大切なのは、自らが豊かな老後生活を過ごせるかが最も気になるのではないでしょうか。年金だけで豊かな生活ができれば問題ありませんが、年金受給額が減少していく昨今の状況では、手元に安心できる資金を確保しておきたくなるものです。老人ホームに入居するかもしれません。子供の住第1章相続・事業承継の本質的理解3

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